グルメ王国『台湾』も日本同様、ミシュラン星付きレストランがたくさん存在するのは当たり前ですが、台湾初心者の僕としては、やはりあまり気取らずリーズナブルな名店に行きたいわけで、となると結果まず行くべき場所は
どうしてもあの「小籠包」の名店『鼎泰豐(ディンタイフォン)』となるわけです。
日本にも多くの支店を持つ(なんと28店舗!!)この店ですが、全く誰も日本では「鼎泰豐に行こうよ!」と話にならないのは、やはり相当そこになんかしらの差が生じてるに違いないと、それを確かめるべく行列が渦巻く中、整理券をGetし数十分、ようやく本店である「信義店」に潜入できることができました。
1958年に台湾台北市で食用油を取り扱う油問屋として創業した『鼎泰豐』は、1972年に小籠包を始めとする点心料理の販売を始め、それが瞬く間に美食家達の評判を呼び世界に広がり、ついに1993年にニューヨークタイムズ紙で「世界の人気レストラン10店」のひとつに選ばれたことから、「台湾へ行くなら『鼎泰豐』の小籠包!」と「小籠包」の名前を世界中に知らしめた名店中の名店。
よく考えてみたら、日本の『鼎泰豐』にも伺ったことがないので、僕自身、大体食べ比べること事態できないわけですが(苦笑)、まぁとりあえず入ることもできたわけですし、なぜここまでの人気なのかを実食してみることに致しましょう。
まずは『鼎泰豐』特製の器でやってきた「御製紹興酒」で乾杯してから、
ラッキーにも 季節もので、メニューにあったら絶対に食べるべきと名高い「さつまいもの葉の炒め物」があったので 早速いただいてみると、ねっとりとした食感の中にほんのりと香るさつまいもの風味がなんとも上品で、塩気も絶妙〜!!
ただし 一品料理はどれもボリュームがあるみたいなので、あまり前菜をたくさん頼まず、お腹がいっぱいになる前にとりあえず念願の「小籠包」たちをやっつけとかないとね〜🤣。
今回頼んだのは3種類の「小籠包」…まずは
プレーンな普通の「小籠包」(5個/10元、10個/220元)…この店の「小籠包」は長年の試行錯誤の結果生み出された 黄金比率の決まりで、皮=5g、アン=16gの合計で1個21g、ひだはすべて18ひだと決められているっていうんだから凄いよね〜。
食べ方としては、針ショウガを入れたお酢3、醤油1の割合のたれにつけ、レンゲの上で皮を少し割って、肉汁を出して味わいながら 一気にお口に放り込みます!!
皮の薄さやサイズ感も完璧で、もちろんお味の方も納得の美味さ…ただ熱々かと思ったらそうでもなかったかなぁ。。。😅
鼻から抜けるトリュフの素晴らしい香りがたまらない「トリュフ入り小籠包」は、5個10個セットではなく、1個(90元)から頼めます。
やはりこれにはたれをつけると風味が薄れるので、そのままダイレクトにお口に入れるのが正解。
「蟹味噌入り小籠包」(5個/185元、10個/370元)も然りで、蟹の風味を損なわないよう、レンゲの中で慎重に肉汁を楽しみながらいただきます。ちなみに目印の蟹ちゃんマークも食べられるとのことでしたが、本体の美味しさに浸り過ぎて すっかり忘れてしましました…苦笑。
ただ後から知ったんですが、『台湾』では「ヘチマとエビ入り小籠包」というのもとてもポピュラーなものらしく、それを頼まなかったのが唯一の後悔。
まぁでも案の定いい調子にお腹も膨れてきたので、やはり『炭水化物王子』としてはどうしてもいただいておきたい、これまた『鼎泰豐』名物の二大〆料理でもある
具なしの「牛肉麺」(130元)と
プリプリ海老の「海老炒飯」(240元)は、忘れることなく確実にオーダー。
食べたことのない醤油味の「牛肉麺」は、本来 大きな牛肉の煮込みが入った麺なんですが、そんなもの必要がないという僕のような人用に「肉なし」が存在するのが嬉しいよね〜「牛肉の煮込み」好きにはそれはそれで「筋のみ」「肉のみ」「肉と筋の半々」とお肉の種類を選べるらしいから、それもまた気の利いたサービス。
そして実は「小籠包」に匹敵するほど、この店の「海老炒飯」は わざわざこれだけを食べに来る人がたくさんいるほど、『台湾』では大大人気のメニューらしく、パラパラ飯にプリプリ海老は当たり前のこと、とにかく味の決め手でもある、全く油っぽさもなく 薄味ながらもしっかりとしたコクを感じる塩加減がもうパーフェクト!!
日本にはないあまりの繊細な味付けに、二品喰いは厳しいかなと思いきや、気がつけばあっさり完食してしまいましたよ〜こりゃあこりゃあ『渋谷スクランブルスクエア店』とか『東京八重洲口店』でも 本当にこの本場の味がいただけるのか、一度食べに行かないといけませんね。
ちなみに今回伺った本店でもある『信義店』の他に人気なのが
今や『台湾』のシンボルとも言える高層ファッションビル
『台北101』内にある
『鼎泰豐101店』…こちらも1〜2時間待つのが当たり前の大人気店ですので、早め整理券をGetし、その間近くのマッサージ店で癒されるのが最も時間の有効的な使い方かと思われます…😌。
次にご紹介するのは
台湾随一の問屋街『迪化街』を
ふらふとお土産探しをしていた時に
偶然見つけた、
ミシュラン調査員おすすめのレストラン2021に選ばれたというイタリアン『RADICI』が営む、台湾では珍しく気軽に泡やワインを楽しめるカフェ&バー『elementi』!!
まず目を奪われたのは『elementi』の店奥に広がる、この緑豊かな心地よい中庭!!
その奥にある扉が『RADICI』の入り口…アラカルトのみですが、イタリア人シェフが作る本格的イタリアンをカジュアルに楽しめるようであります。
このどこかヨーロッパナイズされた中庭にもいくつかのテーブルが置かれていたので、そこで泡でも一杯ひっかけたかったんですが、まさかの満杯…涙。
しかし、『elementi』の入口部分と別れたもうひとつのスペースがとても居心地が良さそうだったので、
その場所を貸切状態で陣取り、念願の「PROSECCO」をオーダー。
いやぁ〜やはり「お茶文化」だからなのか、まぁどこに行ったって、台湾の人々はほとんどアルコールを飲んでおらず、よくて台湾ビールぐらいですから、こうやって気楽に泡やワインなんかが飲めるところなんて非常に少ないので、ホントこの店は貴重〜!!
久々の「泡」に興奮して暑くなり、気がつけばいつの間にか Tシャツ1枚になっていました…😅。
そして3軒目ですが、本店は満席で予約が取れなかったものの、
アメックス.プラチナ.コンシェルジュを利用し、なんとか新光三越台北南西店1館8階にある『台菜南西店』は席をキープできた、
ついに『台湾グルメ』の真打登場といった感じの
老舗台湾料理店『欣葉(シンイェ)』の登場。
結構明るめな、白と木目調をベースにした落ち着きのあるインテリアで、テーブルも広いですから、ようやくと言いますか、台湾に来て初めてゆっくりと時間をかけて食事ができそう…😌。
ただこんな人気店ですら「紹興酒」はどこにでもありそうな普通のものしか置いてないから悲しいですよね…やはり台湾の方はお酒にはあまり興味がないのかな。。。😅
確かに店内は満員御礼なのに、ほとんどのテーブルでお酒を飲んでいる人がほぼ皆無であります…涙。
1977年に「お粥とおかず」のお店としてわずか11卓で創業したというこのお店は、基本手の込んだ美味しい台湾家庭料理がベースですので、決して五つ星ホテルの高級中華のようなゴージャス感はありませんが、気取り過ぎず、絶対に外すことのない確実にウマいと唸らせるお料理を提供するレストランとして今年で46年… それではそろそろ今回いただいたものを簡単にご紹介しましょう…(1NT$=¥46)。
まずはお口休めの「大根の浅漬け」(90NT$)から始まり、
誰もが必ずやオーダーする、パンチの効きまくった「シジミのニンニク醤油漬け」(220NT$)に、
ぶっちゃけ、これが一番ひっくり返るぐらい旨かった「シンイエ名物豚の角煮」(220NT$)…正直「豚の角煮」は「脂」の部分が苦手で 大嫌いなんですが、この角煮の脂は 冗談じゃなく、口の中に入れた瞬間とろけてなくなってしまったから驚いたね〜。
実は台湾で多く使われる「八角」などの中華系の香料を一切使用せず、台湾産の豚肉を醤油、ニンニク、ネギだけで長時間煮込んだだけという味付けも超僕好みで、いやいやホント「豚の角煮」の概念が一から変わりましたよ〜ホントお代わりするか迷ったぐらい。
これもまたあと2〜3個は一人で食べたかった「エビコロッケ」(2個 200NT$)に、
スープ代わりにと台湾料理の真骨頂「干し貝柱と白菜の土鍋煮」(300NT$)。
そしてここからは台湾料理のスーパースター軍団が一気に登場〜!!
泣く子も黙る「台湾と言えば」の家庭料理の代表格「地鶏の三杯ソース炒め煮」(小 680NT$)に、
見た目も華やかな「エビとパイナップルの炒め物 マヨネーズ和え」(460NT$)…パイナップルというとすぐに昔ながらの「酢豚」を頭に描きがちですが、こちらはそれとはまるで雰囲気が異なり、台湾フルーツの代表とも言えるパイナップルの甘味や酸味と、サクッと揚げられた海老のプリプリ感を、お上品な台湾マヨネーズが絶妙のバランスで上手くまとめているからとにかく爽やか!!
さらにこの激ウマブラウンソースが一体何をベースにできているのかが全く見当がつかない「牛フィレの煎り焼き ニンニク風味」(500NT$)も、どう見たってご飯が欲しくなる究極のお肉料理。
そしてやっぱこれですよ〜「カラスミチャーハン」(320NT$)!!
色も黒目だし、カラスミがしっかり大量に刻まれチャーハンと絡み合っているから、見た目から想像すると結構しょっぱいんじゃないかと思いましたが、いやいやとんでもない!!
これがまた絶妙の塩加減でまぁなんとも言えない優し味なわけですよ〜こういったシンプルめな炒飯みたいなものこそ、ほんのわずかな塩の量がズレただけで全く別ものになってしまいますので、ホント料理人の腕って大事だよね。
いやいや恐れ入りました。。。
とまぁここまでは完璧だったんですが、まさかのこの店一番の名物でもある
「ワタリガニの台湾スタイルおこわ」(1080NT$)が、こんな高額の割に全く蟹の風味もそこそこに おこわ自体もパサパサで、全くいいとこなし。
一生懸命身をほぐし、蟹味噌から何からほぼ無味のおこわとせっせと混ぜてはみましたが、結果は一緒…これは完全に「客寄せパンダ」なので、試したい方は仕方ないですが、僕的には最も頼まなくていいメニューかもしれません…涙。
だって他の全てのお料理があまりにリーズナブルだし 、確実にどれも期待を裏切らない内容だと思いますしね。
サービスで出された見た目は「きなこ餅」のような「胡麻団子」と
「シンイエ名物 ピーナッツバター入り手作りモチモチ杏仁豆腐」(一人分 100NT$)は、また目が覚めるようなウマさ。
ホント、笑っちゃうぐらい杏仁豆腐自体がもちもちって、みなさん食べたことあります??
いやぁこれにはマジでびっくり。。。
とまぁ台湾に来たら必ずや一度は来ないと後悔する、この老舗台湾料理店のひとつ『欣葉』…そういえば僕が行きつけの麻布十番の大人気台湾料理屋さん『福琳』のご主人は、なんとこの『欣葉』出身だということがつい最近判明し、そこで食べられるいくつかの同じメニューの中で、『福琳』の方が美味しいものもいくつかあるので、なかなか「台湾」まで足を伸ばせない方は 是非近場の麻布十番で本場の味をお楽しみください。。。
あれ?それじゃ元も子もないか…😅。