車をパーキングに停め、その高台にある丘の上から眺める
見渡す限りの息をのむほどの絶景スポット… そのあまりに美しすぎる田園風景が、まるで新海誠監督製作の大ヒット映画『君の名は。』のワンシーンのような…そんな場所にポツンと佇む
一軒のログハウスが 、テラス席ならわんこと一緒に食事が楽しめることでも有名な 伊豆修善寺の手打ち蕎麦の名店『やまびこ』…。
都会っ娘のグラには
その見たこともない風景と満開の桜のコントラストが衝撃的だったみたいで
終始興奮気味でありましたが、とにかくこのお店の素晴らしさはその絶景だけでなく 、全てのお料理が絶品揃い!!
いきなり「サービスです! 」と言って出てきたのは、結構パンチの効いた「自家製辛味噌」をつけていただく、「スモークチキン」まで入った 取り立て野菜スティック…もうこれだけで冷酒でもあれば何時間でもいられそうなほど新鮮でウマい!!
この日のスペシャル「わらびのお浸し」に
「ゆず」の効いた「自家製味噌おでん」、
「旬な山菜の天ぷら盛り合わせ」は おそらく3~4人前はあるんじゃないかと思われるほどの大ボリューム…でも口に入れると超軽くてサックサクだから、思いの外 バンバン食べれてしまうわけです。
そしてお待ちかねの「ざる蕎麦」がもう噂通りの完璧な歯ごたえと喉越しでもう感激!!
数量限定の「粗挽き蕎麦」も食べたかったんですが すでに売れ切れということで 今回は残念無念でしたが、蕎麦屋だらけのここ修善寺周辺でダントツの一番人気だというのもこりゃぁ〜うなづけますなぁ…聞くところによると、大体 並ばずに入れたこと自体が奇跡というほどでの名店らしいですしね…。
お蕎麦にも「山芋」まで入った「お新香」がついてくるところも田舎らしくて、いやいや 本当にいい味出しておりました…笑。
な〜んてところから書き始めると、『コロナ疎開』じゃないですが、天気もいいので のどかにドライブにでも行ったんですかと勘違いされてしまいそうですが、
実はこの日は ここから近くの『順天堂大学医学部附属静岡病院』にて、昨年の暮れの定期検査で見つかってしまった、まさかの年老いた僕の母上様の『乳癌』による「左胸除去手術」当日…母上本人は未だにまるで違和感や痛みも全く感じていないぐらいなので、正直 この病名を宣告された時も内視鏡手術とかで大きく切ることもなく直せる程度だろうと思っていたら、その方法をとると、術後に何日も放射線治療を1回数時間もかけてやらないといけないらしく、高齢なので病院に通うのも大変だし、体力的にもそちらの方が参ってしまう可能性が高いということから、一挙に左胸切除してしまいましょうということになってしまったというわけ…涙。
素人の僕らが想像するに、胸を切除してしまうなんてどれだけ大変な手術なのかと相当ビビったんですが、先生曰く、女性としての悲しみは別として、手術的には簡単なものらしく、さらに80歳オーバーの高齢者が乳癌で死亡する確率はほぼ0%に近いということで まぁ〜その時はちょっとは安心したんですが…強いていえば全身麻酔に耐えられる体力があるかどうかだけが一番心配とのことで、それも調べてみると うちのオフクロの場合、異常なほどの健康状態で全く問題なしとの検査結果が出たもんで、先生も「これだけ体力があるなら一挙に取ってしまった方が安心です。」と、それも手術をする理由となってしまいました。
(なんと87歳にしていつも飲んでいる常備薬も一つもないことにも先生方は絶句…。)
結果 約1時間半に及ぶ手術は大成功…そしたら すぐに先生に別室に呼ばれたと思ったら、「このように癌細胞共々綺麗に取れましたんでご安心を…。」といきなり切除した生々しい左胸そのものを見せられたもんだから 思わず気絶寸前までいきかけましたが…苦笑。
しばらくして 麻酔も切れ始め、意識がうっすらと戻ったところで病室に戻り、「よかったね…。」とオフクロの手を握ると 、 まだ朦朧とする中、いきなり はっきりした言葉で「来てくれてありがとうね。。。」なんていうもんだから、またまたこっちが びっくりしてしまいました…苦笑。
そんな恐るべき体力の持ち主の母上殿… とりあえずゆっくり眠りにつけるよう 早めに病室を後にしたのはいいんですが、やはり世界中で猛威を振るう『コロナウイルス』問題により 病院サイドは院内感染を恐れているので、まさかというか案の定というか、これから10日間から2週間と言われている入院期間中、家族ですら一切の面会謝絶ということで、もうしばらく顔を見ることさえできなくなってしまったのが悲しい限り…涙。
とにかく20cmも切ったので傷口が痛まないかだけが心配でしたが、翌日の様子を聞くと 本人は全く痛みを感じないと言っているらしく、とりあえずはこちらもひと安心…食べるものは何を食べてもいいとのことで、オフクロが好きなオレンジ味のビターチョコレートやあんみつ、干し柿、フルーツゼリー、ぬれせんべい、そして極め付けのコカコーラと(子供か!! )、大量に買い込んで病室に持ち込んではおきましたが、優しい看護婦さんたちがたくさんいるとはいえ、一人ぼっちの個室で寂しくないかだけが子供心なりに心配であります。。。
というわけで、その後のランチでの出来事が 最初に書いていた蕎麦屋のくだりでして…(笑)。
この日は その後 面会謝絶とは知らずに、翌日もずっと看病をする予定で予約をしていた 『順天堂病院』から目と鼻の先に位置する伊豆長岡温泉『 小松家八の坊』に向かい
まずはひと汗かきに露天風呂へ直行…前にも一度泊まった時にこのブログにも書きましたが、ここはワンコも泊まれる宿として、犬好きにはなかなかの有名旅館なんですが、なんせ病院まで車でわずか1分足らずと、何かとオフクロの面倒を見るときには最高のシチュエーションなんであります。
夕食も愛犬と一緒に部屋で食事ができるプランをチョイス…今宵の献立を簡単にご紹介すると
先付けは、ん〜〜なんの味なのか最後まで全くわからなかった「謎のお豆腐」、
そして右から「新取菜と貝柱のお浸し」、「椎茸、蟹、いくら、そら豆の押しちらし寿司」、「海老蓮根巻き 黄身酢」、「菜の花辛子漬け」、「鰯九十九里煮」…の前菜、
そして「お造り盛り合わせ」、
煮物は「真鯛の唐揚げ、桜麩、三つ葉、銀餡を添えた 黒米おかき」、
メインは「特選牛ステーキ 自家製ソースがけ」の洋皿とともに
「特選牛すき焼き」…そこに
「茗荷ぬか漬けと壬生菜漬け柚子大根包み」の香の物とともに、釜で炊いた「筍と桜海老の炊き込みご飯」(写真取り忘れました…苦笑。)が登場して
「浅利の赤味噌仕立てのお味噌汁」に
デザートの「クレープロール、苺、セルフィーユののったオレンジゼリー」でようやく終了〜こんなに豪華な「八の坊御膳」と朝食の2食付きで、ワンコも泊まれて一人¥13000って安くないです??
まぁ相当古い旅館ですから 今時の和モダン感やゴージャス感は全く見当たりませんが(苦笑)、
スタッフも皆 犬好きでとてもグラにも親切にしてくれるし、母上の看病ついでに泊まるには 十二分すぎるほどの便利なお宿…。
夜も更け出した頃には、いつの間にか姫も自分の赤いベッドから移動し、
人肌恋しいのか パパのお布団にが入り込んでいました…笑。
翌朝は6:30からのんびり誰もいない温泉にひとり浸かり(せっかくなので、昨日から4回は入浴しております…全て貸切…笑。)、8:00からこの宿自慢の優しいこだわりの和朝食を別の階の宴会個室で…人手不足なのか、朝食まではどうしても自分の部屋でいただくことができないのが玉に瑕でして(お部屋でいただけるという夕食も、実は部屋の前までは持ってきてくれるんですが、テーブルセッティングや後片付けはセルフといったシステム…。)、部屋を出るときに鳴き声を出していた姫が気になり
わずか30分弱足らずでさらっと終了〜本当はもう少しのんびり味わいたかったけどね…苦笑。
そんなお留守番嫌いな姫を連れて向かった先は、
屋上に新たに設置された休憩スペースも併設する人工芝のドッグラン!!
さっきまでフンフン鳴いていたのに、お友達の匂いがたくさんするのか、
超ご機嫌で満面の笑顔を見せるグラ姫…。
自宅のリビングでボール投げはしょっちゅうやらされておりますが、
パパと追っかけっこなんて
東京のアスファルトジャングルでは滅多にできないので
天気も最高だし グラも大はしゃぎ!!!
見てください〜超ものすごい勢いで、こんな広いスペースでも 所狭しと駆け回っておりました…笑。
母上の容態を心配しつつも、面会謝絶のためにお見舞いも行けず、不安も多少残りましたが、何も病院サイドから連絡もないということは無事なんだろうと自らを納得させて、
いざ帰郷の高速道路へ…あまりに何もかもが素晴らしかったので、もう一度昨日初訪問した手打ち蕎麦『やまびこ』に立寄って帰ろうともしたんですが、なんとまさかの金曜日定休…涙。
ということで 寂しく 新東名高速を突っ走りまがら、鮮やかにそびえ立つ富士の山を横目に、上り『足柄インター』の
朝搾りたてのミルクから 新鮮な乳製品を提供する『富士山高原いでぼく』で大好物の生クリームとチョコたっぷりのジャージークレープに貪りつくパパとグラ…。
なんか姫だけ楽しかったように見えるこの二日間でしたが、もちろん病院内にわんこは入れないので 、暗〜い駐車場の車内で何時間もお留守番もしたし、それなりに彼女も
彼女なりに オフクロのために一生懸命頑張ってくれました…その後 オフクロの容態も順調との情報も入り、あとは早くも手術翌日から始まり出した リハビリ次第でどれだけ早く退院ができるかどうか…。
僕はSTAY HOMEで祈るのみであります。。。