昨晩立て続けに鑑賞した2本のムービーが、同じ群像劇ではあるものの、「シニカルなロマンティック コメディ」と「3組の男女の関係と衝撃の結末を描く恋愛ミステリー」といったまるで真逆な内容でありまして、両者とも簡単に言えば「大人の心情」というか 大切な人を裏切り、裏切られたりを繰り返しつつ 傷ついていくを状況を描いたストーリーではあるんですが、あまりに対照的で実に興味深かったなぁ。。。
まずは2015年 公開の名作『ペーパー・ムーン』のピーター・ボグダノヴィッチ監督 13年ぶりの新作『She’s Funny That Way(マイ ファニー レディ)』…。
コールガールをしていたハリウッドスターを目指していたイージー(イモージェン・プーツ)が、「お客」として出会った有名演出家のアーノルド(オーウェン・ウィルソン)から「君の将来のために三万ドルをプレゼントする」という奇妙な申し出をされ 人生が一変するといった、これだけ聞いてると『プリティ ウーマン』のようなただのシンデレラストーリーに思えますが、そこに複雑な人間模様と全てのシーンにおけるユーモアが絡み合って 極上の大人の群像コメディに仕上がっているから見ていて実に心地よい!!
ドタバタ劇ではあるんだけど全編において粋でオシャレなセンスが光る、「ウッディ アレン」の映画にも似た ただのラブコメとは一線を画すシニカルな一本…。
まったく期待していなかったのにあれよあれよと飲み込まれて、気がつけばエンドロード的な映画ですので、晩夏の夜の暇つぶしには最適な映画なのではと思われます。。。(笑)
2作目はガラリと変わって
2014年公開の、『クラッシュ』『告発のとき』のポール・ハギスが監督 & 脚本を務め、リーアム・ニーソン、エイドリアン・ブロディ、ミラ・クニス、ジェームズ・フランコらの超豪華キャストで描かれた、パリ、ローマ、ニューヨークと離れた場所で織りなされる3組の男女の物語が交錯するミステリードラマ『Third Person(サード パーソン)』…。
いやぁ〜引き込まれましたよ、この作品には…汗。
一見 3都市で繰り広げられる 別々の男女のストーリーのオムニバスのような映画に思えますが、実はピュリッツァー賞作家でもあるマイケル(リーアム・ニーソン)が自分の不注意から息子を溺死させてしまった辛い過去から逃れられないまま 新作に取り込んでいるうちに、 そこに描かれた3つの物語の中で自分の誤った人生に対する言い訳をただ小説にしていたということの気づくといったストーリー…つまりこの映画に登場した人物の殆どは、マイケルの書いた作品上の架空の人物であり、実在する人物はその主人公の作家を演ずるリーアム・ニーソン、その妻のキム・ベイシンガー、愛人のオリヴィア・ワイルドだけ(あとはマイケルの出版担当者)といった(これもあくまでも僕の意見でありまして、決して定かではありませんが…。)、あまりに複雑すぎて哲学すぎて 、見た人によって解釈がまるで異なってくるところが最高に憎い演出…なので あと何回か見直してみないと この映画が訴える本当の意味は理解することはできそうもないので、その後 自分自身がどんな感想に変わっているかが楽しみな作品でもあります。。。
でもおそらく答えは存在しないんでしょうね…図式として作る側に余裕があるわけで、僕ら 観る側 各々で全て違う解釈でいいよというところもまた悔しいところであります。。。