金銭的な余裕があれば、毎日でも通いたい筆頭のレストランと言っても過言ではない
丸の内の『パレスホテル東京』内にある中国飯店グループの最高峰チャイニーズ『琥珀宮 (Amber Palace)』。
僕の周りの食通の方々も皆声を揃えて、「日本で一番好きな中華料理店」と断言してやまない、
もちろん「ミシュランガイド東京 2024」にて1つ星も獲得している
現代的なモダニズムの中に伝統や歴史も感じる名店中の名店であることは、今更言うまでもありません。
上手い具合に予約が取れたこの日は、まず紹興酒のロックで乾杯をしてから、
絶品の前菜「オリジナルピータン豆腐」(一人前¥660)…普通はただ刻まれたピータンが豆腐の上にどど〜んと乗せられたものが多いですが、ここのは一味も二味も違いまして、一応ピータンはわずかながらに金華ハムと共に飾られておりますが、基本はなんと跡形もない滑らかなソースと化して豆腐の下に敷かれております。
量もほどよいし、とにかくあまりに美味しすぎて、後先考えずついお代わりしたくなっちゃうので要注意…😅。
そしてやはりチャイニーズといえば 基本「ふかひれ」のお料理がないと始まらないわけですが、以前にも話した通り、僕的に「ふかひれの姿煮込み」をいただくのは『赤坂 維新號』のみと決めておりますので、いつも中国飯店系列では別ににケチるわけではなく「姿煮込み」と言うよりかは「スープ」でいただくのが定番…ただしこの日はそれすら封印し「鮑」に一票。。。
初めてこの「鮑の蒸し焼き 伊勢志摩のあおさ海苔ソースかけ」(¥6600)を頼んでみましたが、まぁどちらかと言うと中華というよりかは高級和食のような趣きでありましたが、あっさりとした味付けの奥に、やはりどこか中国4000年の歴史の深みが見え隠れした繊細かつ大胆な一皿であることは間違いございません。
名物の「北京ダック」は豪勢に1/2羽(¥8800)をオーダーし、
久々にガッツリと2本喰い…笑。
ここのなら何本でも食べられると豪語するお金持ちマダムが僕の周りにも何人かおりますが、まぁ確かに鴨自体のジューシーさが他とは違うよね。
そして唯一この店で絶対に頼まないと気が済まないメニューといえば、やはり日本一…いや世界一好きかもしれない、オリジナルの「大海老のマヨネーズソース」(¥3300)…この前伺った『中国飯店六本木店』でもそうでしたが、どうやらこのお料理の味は『富麗華』のレシピで統一されたようであります。
さらに他の系列店ではメニューに存在しない絶品「水煮和牛(和牛の激辛四川ソース)」(¥4950)は、Hawaiiの雑な中華料理店とかではよく口にしておりましたが、まぁ高級店ともなるとこうも違うのかと感心してしまほど、その辛みにすら『品』を感じるわけであります。
最後はわざと後の方に出してもらった
サクサクの「叉焼パイ」(¥770)&
肉汁溢れる「焼き餃子」(¥770)らの点心をやっつけたら、少ないようで やはり案の定、炭水化物までいかずにあえなくお腹も満腹…この日はダイエットを気にせず食べまくるつもりでしたが、やはり毒薬(ダイエット用)パワーは効き目が凄いね〜🤣。
お口直しにデザートの「白玉入り温かい杏仁汁粉」(¥825)でほっと一息…いつもはどうしても自宅からすぐの『富麗華』や『中国飯店六本木店』らの路面店に行きがちなので、たまにはこういったホテルダイニングに伺うのも背筋が伸びて非常にいい刺激になりますなぁ。。。
仕事もろくにしてないせいか、もうはあまり外で若い者たちにお金を使うことも少なくなりそうなので、これからはたまに背伸びでもして、こういったエグゼクティブなレストランにも頻繁に顔を出すことに致しましょう。
残り少ない今後の人生を考えると、大した金額ではないにせよ、もうお金を貯めてても仕方ないですからね…苦笑。
そして全く違うタイプのチャイニーズをもうひとつご紹介。
残念なことに雨に見舞われてしまいましたが、
桜が満開な頃にまた来ましょうと、半年前にこの日を予約した
あの「ふーみんママ」こと斉風瑞さんが、溝の口に佇む自宅マンションで、 ひっそりと営む中国家庭料理店『斉(SAI)』。
ご存じ「ふーみん」といえば1971年創業の「ネギワンタン」や「たらこ豆腐」「納豆チャーハン」らの数々の名物料理を生み出した表参道(最初は青山キラー通り)の大人気中華料理店ですが、ママ自体は2016年に店を引退後、チャキチャキの妹の芳子さんと共にこの店を2021年から一日一組限定で切り盛りされております。
この日はお花見も兼ねていたので、13:00からのお昼の時間を予約…
まずはみなさん「青島ビール」で乾杯…アルコールはこの他に日本のビールと紹興酒がありますが、あとは用意されてないので、泡やワインをお好みの方は自ら持ち込みが可能となっております。
そしていつも通りの「前菜5種盛り」からスタートし、
二皿目は究極のほっこり皿代表「春キャベツの炒めもの」…干し貝柱の出汁がよく効いて、なんか涙が出てくるほどやさしい味なんですよね〜。
紹興酒のロックに切り替えたところで、
三皿目はこちらもやさしい「牛肉とセリの炒めもの」…ぶっちゃけもうこの辺りからお腹が溜まり始めておりましたが、
やはり「ふーみん」名物の「ネギワンタン」は美味しくいただかないと、わざわざ遠くはるばるとやってきた意味がありません。
ふーみんママが作る「ネギワンタン」は、元々のオリジナルレシピなので、今現在お店で出しているものとは異なり、「ネギワンタン」の横に「蒸し鶏」が添えられております。
そしてそろそろ旬を迎える
「そら豆」をふんだんに入れた「海老とそら豆、アボガドのあっさり塩炒め」…あっ! そうそう〜言い忘れておりましたが、この会の主催者はと言いますと、まさかのふーみんママとはかれこれもう50年以上の付き合いだという
巨匠堺正章氏。
何度となくご結婚されている巨匠ですが(笑)、実は最初の結婚での海外新婚旅行に、
なぜかふーみんママも同行したというほど仲がいいということはあまり知られておりません…😌。
詳しいことは書きませんが、まさに「人に歴史あり」といった感じですよね。
そして六皿目は「鶏」ではよく口にしますが、「鰻」では初めていただいた「うなぎの竜田揚げ」。
〆は著書「永久保存版 おうちでつくろう!ふーみんさんの台湾50年レシピ」でも表紙を飾った自慢の「レモンラーメン」…鶏と牛の挽肉から採った出汁に醤油を入れて、薄切りレモンを添えただけという、これまたどこの家庭でも作れる究極のシンプルレシピなわけですが、それでこんなにも奥深い美味しいスープが出来上がるなんて、ホント天才としか言いようがありませんな。
最後にお口直しの「いちごのババロア」をいただけば、あ〜なんかただお腹がいっぱいなのとは訳が違う、寿命が何年か伸びたような心温まるこの気持ち…いやぁ〜今回もふーみんママの心洗われる真の優しさをまじまじと実感させていただきました。
そして満を持して、数々の証言をもとに、『ふーみん』がなぜ50年もの長い間人々に愛されつづけるのかを紐解くその元となる、日本と台湾、そして斉風瑞の家族を3年半にわたり追いつづけた長編ドキュメンタリー映画『キッチンから花束を』が、5月31日から東京『ヒューマントラストシネマ有楽町』ほかで公開…と、さらなる飛躍を見せる御歳78歳のふーみんママ!!
劇中の語りは女優の井川遥が担当した話題の作品なので、みなさんも是非劇場まで足を運んでくださいね。。。