麻布十番と言えば、七代目から屋号使用の許諾を受け開業した『麻布永坂 更科本店』、店舗 & 会社組織として株式会社永坂更科布屋太兵衛が(旧)布屋太兵衛を継承した『永坂更科 布屋太兵衛』、店主が(旧)布屋太兵衛の創業者の直系である『総本家 更科堀井』といった、全く経営の異なる3店の更科系老舗蕎麦屋が密集している上に名店と言われる『川上庵』や『松玄』も存在するので、いつからか「麻布十番そば激戦地区」などとよく例えられるわけですが、
そんな中、唯一我が道を行く庶民派の街のお蕎麦屋さんが
ここ『長寿庵』…二代続いてるということは
もうそこそこの歴史が刻まれているわけで、その片鱗はお店自体を見れば一目瞭然。
こう見えてとにかく大人気店なもんですから、お昼時は行列ができてることも多く、僕自身何度も、来たはいいけど入れずに、目の前の町中華『新香飯店』に入るパターンも少なくはありません。
その人気は何と言ってもコスパの素晴らしさ…今現在はアルコールの提供を行なっていないのが寂しいですが、(とは言え、この店でビールの一本でも飲んでた人は見たことがございませんが…苦笑。)とにかくお腹を満たすことだけに集中するには最適なわけでして、
近頃激しく値上がってしまったとはいえ、「上天ざるそば」で¥1100(つい最近まではなんと¥900!!)。
僕の大好物「冷やしたぬき」は¥750で、さらにそれの上をいく「たぬき(揚げ玉)」に「きつね(油揚げ)」をプラスした「冷やしむじなそば」でさえ¥850と、近くの高級蕎麦店たちと比べればそのお値段はほぼ半額以下…さらにボリューム感もしっかりありますので、地元では蕎麦屋はここ『長寿庵』しか行かないという方も多く見られるほどの人気ぶり。
お蕎麦自体もしっかりとコシのある美味しい麺ですし、あと何と言ってもここは「天丼」や「親子丼」らのご飯ものもめちゃウマいのが魅力的なんですよね〜たまにどうしても食べたくなる「お蕎麦屋さんのカレーライス」もいい感じだし、セットものがメニューにないのが残念ですが、二品喰いしたところで¥1500にも満たないですから、老若男女問わず 店はいつも大賑わい。
ただし夜は営業していない上に、近頃は15:00過ぎには店を閉めてしまうことが多いようであります。
そこでひとつ心配だったのは、コロナ以降、席と席の間隔を取るために席数を半分に減らしたのはいいんですが、それは今現在でも続いている上に
その未使用のテーブルもあまりに雑な使われ方をしているので、なんかやる気がないというか、様子がおかしいなぁと思っていたら、案の定 来月(9月)いっぱいで店を畳むというじゃありませんか〜!!
麻布十番の中心地にもあった、美味しいお魚と言えばの『魚可津』さんもそうでしたが、やはりこんな一等地に土地があるわけですから、もうせっせと毎日同じことをして働くのが馬鹿らしくなり、自分の土地にビルを建て、その家賃収入で暮らしていくという選択にしたのかな?
(これはあくまでも僕の憶測ですので事実はわかりません…😅。)
今はあともう一軒…今年に入ってからずっと休業を続ける、みんな大好きな超老舗焼肉店『三幸園』の行方も気になるところですが、元々古くから創業なされてる店のほとんどが、そう言った選択をするところがほとんどで、悲しいかな どんどんと昔ながらの個人営業店が失われていくのが現実…。
でも古いものはなんとかしてそのまま古いままでいて欲しいと思うのは僕らの勝手でして、やはり当事者としては年齢的にも歳を重ねてくるし、もう楽な道を歩みたいというのは致し方ないのかも…。
『麻布台ヒルズ』も開業間近だし、『六本木ヒルズ 2』も着々と工事が進む中、都内でも屈指の下町風情が売りだった麻布十番も、こうやって時代の波には逆らえず、完全なる東京一のセレブタウンへの道へと変貌していくのでしょうね。。。
寂しいようで、逆に楽しみでもある…まぁ正直、僕もそうは馬鹿みたいに働く気も今はないので、自宅「南麻布」の土地価格がさらにUPするのなら、多少のことは我慢はしないといけませんね…😅。