『やさい家めい 麻布十番店』跡池に1月6日オープンしたばかりの
串揚げ店『Brochette KUSHIAGE TOKYO』…これまでの串揚げのイメージを覆すがごとく、油を極限まで切り落とし サッパリとした食べ応えが売りでありまして、オーナーはなんとアートディレクターの巨匠として業界では名の知れた松田 聡氏。
実は60歳を超えた松田氏が何の未練もなくいきなりアートディレクターの世界から身を引き、新たに展開を始めた事業こそが 世界でも通じる和食として先見の目を向けたこの串揚げの世界ということで、
ディレクターには『麻布 分とく山』をはじめ、数々の名店で腕を振るわれた高橋進紀氏を抜擢し、裏の厨房には『ジョエル・ロブション』から引き抜かれた「食」の名士らが顔を連ねるといった夢のコラボも実現させつつ、
ついに このようなとても串揚げ店とは思えないクールで落ち着きのあるインテリアの店を作り出したというわけであります。
それでは早速「串揚げ15本コース」から「20本」、「25本」と3種類ご用意されているコースの中から、今回僕がいただいた ほどよく真ん中の「串揚げ20本コース」(¥15000+10%TAX)をご紹介していきましょう。
まずは串揚げにつけるお塩は、左から「山椒塩」、「カレー塩」、そしてノーマルな「塩」の3種類でありまして、
ソースの方も「レモン汁」、「レモン醤油」、そしてノーマルな「ソース」の3種類がテーブル内にご用意されておりますので、お好きなものをお好きなようにとのことでしたが、メニューには一応オススメの食べ方が記載されてありますので、それを参考にいただくことにいたしましょう。
ワインの種類も豊富でしたが、だいぶお値段の方が高く感じたので、今回は冷酒のオススメをとりあえず一合。
先付けは煎った蕎麦の実をのせた「白子の玉蒸し(茶碗蒸し)」からスタートし、
次にもう一皿「炙りさわらの春菊ソース」…串揚げ以外にも手を抜くことなく、このふた皿も素晴らしく美味しいの一言。
そしてここからがいよいよ「串揚げ20本コース」のスタート…。
まずは「山椒塩」がオススメの「車海老」から始まり、
「レモン醤油」がオススメの「榎木豚肉巻き」、
「塩」がオススメの「うずら玉子ベーコン巻き」に、
「ソース」がオススメの「生姜コンニャク巻き」、
「山椒塩」がオススメの「鯵大葉巻」。
何もつけずにいただく「大浦牛蒡」を挟んで、
「カレー塩」がオススメの「空豆」…と進んだところで「中皿」と称した
レモンのカップに入れられた見た目も爽やかな「コールスロー」が登場。
これがまたやたらと程よいサイズ感と柑橘感溢れる酸味が より胃袋を刺激します。
と思ったら自家製の「カラスミ」まで登場…こっちはより冷酒がススんじゃうよね〜。
串揚げの再スタートは
「カレー塩」がオススメのなんと「玉子豆腐」…よく崩さずにここまでキレイに揚げられますよね〜。
さらに「ソース」がオススメの「牛フィレ肉」に、
再び何もつけずにいただく「チーズ蕗の薹包み」、
「カレー塩」がオススメの「牡蠣」に
「山椒塩」がオススメの「蕗」、
「レモン醤油」がオススメの「子持ち昆布」、
おでんのような味がする、そのままでいただく「大根」に
「レモン醤油」がオススメの「鶏つくね」と立て続けにやっつけたところで
「本日のお食事」と称したフルーティーで甘口の「一口カレー」が登場。
ついでに冷酒も2本目に。
さぁいよいよ大詰めのラストスパートとまいりますかね〜
「レモン醤油」がオススメの「野菜巻」に
「塩」がオススメの「河豚白子」、
「山椒塩」がオススメの「タラの芽」に、
「塩+レモン汁」がオススメの「帆立貝柱」、
そしていよいよ最後の串となる、そのままいただく「蓮根明太」…というわけで、あっという間に20本が終了。
揚げちゃうとみな見た目が同じなもんで、全く参考にならなかったかも知れませんが(苦笑)、とにかく軽くて小ぶりなもんですから、これなら女性でも楽々20本はイケるはず!!
その後に濃厚で透き通った「蜆椀」と
人気イタリアン『Appia』の「カスタードプリン」にインスピレーションを受けたというデザートの「ほろ苦プリン」に
「コーヒー」or「紅茶」が付き、ようやくコースは全て終了〜!!
と、ここでようやく僕的な総評を言わせていただきますと、オーナーが知り合いだからというわけでは決してなく 素直な意見として、ホント文句のつけようがないほど 全てがハンパなく滅茶苦茶にウマい!!
ただ揚げてるだけでなく、中身にもいろいろ工夫がされてるし、ここまで完璧に油切りされた 決してもたれることのないお洒落な串揚げは、ホント生まれて初めていただきましたよ〜まさに画期的な「串揚げ革命」と言っても決して過言ではないのではないでしょうか。
店の奥にはこちらの6人用とその他 4人用のしっとりと語り合える個室たち(芸能人対策もバッチリ!!)もご用意されてるし、
いきなりトイレだけはシックな店の雰囲気からは紅一点の ピンク×ゴールドといった内装なところも、さすがアートディレクター界では泣く子も黙るオーナーのセンスが十二分に窺えるところ。
ただどうしても引っかかるのが、この「串揚げ」という本来なら庶民的でリーズナブルなジャンルでの、一人頭の客単価が ¥2ooooを超えるという金額設定でありまして、ワインを頼めばおそらく一人¥30000近くには必ずや届いてしまうところが、一体どのあたりをターゲットにしたお店なのかが今ひとつ読めず…ぶっちゃけ 本当に心の底から美味しいと思いましたが、当たり前の如くおごる立場の「男」として考えれば、2人で¥40000強、3人なら¥7〜80000はかかる「串揚げ」と考えたら、どうしても同じ金額出すなら「寿司」とか他の高級レストランに行くのが当たり前だし、やはりいくら場所代もかかるとはいえ ちょっと高すぎると考えるのが普通かと…涙。
だからと言って20代でベントレーやフェラリーを乗り回す、ぽっと出の若い輩たちを入れちゃったらいいお客さんは来なくなるし、お金に糸目をつけない医者や弁護士たちならまぁノープロブレムなんでしょうが、常識的にやはり僕ら一般ピープルは串揚げに一人¥20000は出せないのが本音なところ…提携しているという本家大阪の串揚げ店『ブロシェット』はというと、「20本コース」で¥6100、「30本コース」で¥8500と、おそらくこの金額でも大阪なら高い方かもしれませんが、同じとは言わずともせめて東京も「20本コース」で¥8〜9000ぐらいなら週一で通うのになぁといった残念な気持ちでいっぱい…涙。
なのでやはりせっかくここまで美味しいんだし、もう「串揚げ」の相場価格が頭にインプットされている我ら日本人よりも 海外に目を向け、ニューヨークやロンドンあたりでおひとり様$500ぐらいでやっちゃった方が潔いかもね…外国の方ももう「寿司」や「天ぷら」には慣れてしまい過ぎてるし、ここは「串揚げ」で天下を取るのも夢ではないかも。
まぁとにかくまだオープンしたばかりですからなんとも言えませんが、めちゃ美味しいのは確かですので、いつしかこの「東京」という街で 予約の取れないお店になられることを心よりお祈りいたしております。。。😌
で〜、あんなに食べたのにと思っている方も多いかと思いますが、実はこの晩の僕は丸一日 何も飲まず食わずでこの店に伺ったもんですから、この本当に小ぶりであっさりとした串揚げ20本ではもの足らず、さらにご飯ものも一口サイズのカレーだったということで、正直まだ何かが足りないと、帰り道でまた行っちゃいましたよ〜『新香飯店』…苦笑。
でももちろんボリューミーなものは無理ですので
最もシンプルな「昔懐かしの支那そば」的な「らーめん」を麺硬でずずっと…苦笑。
やはり庶民は背伸びせず、こういった町中華が一番落ち着くよね…あ〜今日も働かずして散財しちまったなぁ〜涙。
明日明後日はいよいよ巨匠の仕事始めなので、いやらしい話…ここで少々稼がせていただくことに致しましょう。。。😉