前々から気になっていた
日本に『イタ飯ブーム』を巻き起こした、いわゆる「buona sera(ボナセーラ)系イタリアン」の走りでもある恵比寿の『IL Boccalone (イル・ボッカローネ)』で務めた19年間のうち、
13年間を料理長として腕を振るった岩田正記シェフが、満を持して独立した 恵比寿の路地裏にひっそりと佇む 小さなトラットリア
『IL BALLOND’ORO(イルバロンドーロ)』…。店に入るとすぐに目に入る 長いカウンター席を抜けると
左手にひと席…そして
右側にふた席と、計10人分のテーブル席と
さらに4席のchef ‘sテーブル的なカウンター席のみの、シェフを含めわずか 3人のスタッフで全てを賄う とてもかわいらしい店内…もっと大きい箱をイメージしてたもんで、予約時に「なるべき広いテーブルでお願いします。」なんて恥ずかしいこと言っちゃったけど 、もちろん無理で カウンター席に初めて座ってみてその意味がよくわかりました…苦笑。
フロアーを担当する、とても丁寧でハキハキとした接待が好感度抜群な若きスタッフに、樽香のあるオススメ白ワインを頼むと、ピエモンテ州の老舗ワイナリーが作る「Gagliasso Langhe Chardonnay(ガリアッソ ランゲ シャルドネ)」が登場…。そのほのかにバニラの香りを漂わす熟成された白に合う「Antipasti(前菜)」をとオーダーしたのは
まずは今が旬の「秋刀魚」を使用した「さんまと焼きなす、ルッコラのサラダ仕立てのカルパッチョ」…。
細かく刻まれた冷たい焼きなすが、まさかここまでさんまとの相性が抜群とは意外だったなぁ…いやいやのっけから一本とられました…苦笑。
そしてメニューにあれば 必ずやオーダーする、大好物の焼きチーズ「燻製スカモルツァチーズの鉄板焼き」…見た目からもご想像通り、パンとともにお口に放り込めば それはそれは至福のとき 間違いなし。
「Primi piatti(パスタ)」はこの店の名物でもある
「Bianconero(白黒)」とネーミングされた「ラルド(豚背脂塩漬け)と黒トリュフのスパゲッティ」…
ラルドの深いうまみと塩気に加え、2種類のチーズ(パルミジャーノとペコリーノ)とローズマリーがさらに黒トリュフの芳醇な香りを惹き立たせ、それがまた超アルデンテに茹でられた細麺によく絡んで まさに 最高のハーモニーを奏でた逸品となっております…これで¥1800はお得感もあるね〜。
と、恥ずかしながら もうこの時点で既にお腹が膨れてきてしまったので、自慢の炭火焼料理を含めた「Secodi in padella(メイン料理)」は諦め、とりあえず金曜日だし飲もうということで(笑)、そこまで重くなく 程よいバランスの赤でオススメされた
「de puppi」というシンプルでキュートなラベルのメルローを追加して
もう一品オーダーしていたパスタ「ボロネーゼとポルチーニのフェットゥチーネ」と共に…。
これはもう間違いようがないペルフェットな組み合わせ…パスタもどう見ても美味しくないはずないしね〜。
「黄金のリゾット」と呼ばれる 、サフランとパルミジャーノチーズによる いわゆる「ミラノ風リゾット」もシェフご自慢の料理ということで、メインと合わせてそれらは次回のお楽しみに…笑。
とはいえ「赤」がまだ半分以上残っていたので 最後にもう一品だけ、ワインに合う「Dolci(ドルチェ)」…「ピスタチオのティラミス」を。
数多く存在する『ボッカローネ』出身のシェフですが、メニューを見てもこの店ほど素材の味を十分に活かしつつ 豪快に作り上げる本場イタリアのマンマの味を忠実に、そして丁寧に受け継ぐシェフは他にはいないのでは…。
今日は台風間近の豪雨で 真冬のように肌寒い東京でしたが、機を衒った創作イタリアンが苦手な僕にとって、またひとつ 通い詰めなければならない 心温まるトラットリア を見つけられて なんか身も心もぽっかぽか…まだまだ知らない名店を探す旅は続きます。。。(笑)