HOME > Blog > 『終わる恐怖』と『終わらない恐怖』...あなたはどっち??

感じることをそのままに...。

Blog

DEC 2013

*『終わる恐怖』と『終わらない恐怖』...あなたは

どっち??

今さらながら、ボクの大好きな映画ベスト3に入る名作『ニュー.シネマ.パラダイス』のジュゼッペ.トルナトーレ監督の99年作品...『海の上のピアニスト」(The Legend of 1900)を見て感動しているわたくし...昔から、ありとあらゆる映画を(毎日あまりに暇なもので...。)片っ端から見ているはずなのに、なぜ今までこんな「好みじゃないはずがない!」この作品を見なかったのが不思議であります。。。

  • ハワイ
  • ハワイ

ただ単に主役の「ナインティーン.ハンドレッド」(大西洋を果てしなく往復する大型客船 ヴァージニア号の客室に生まれてすぐに置き去りにされていた主人公は、戸籍も登録もないままずっとその船の上で育ったために名前すらもなく、結局いつの間にかそのまま生まれた年号の1900年と命名されていまいました...。)役の「ティム.ロス」の顔があまり好みじゃなかったというのと、全ての物語がきっと
ボクの興味のない船の中で起こる出来事(実際は違うんですが...。)でつまらなそうと一方的に思い込んでいた事が原因だったんだろうと思うんですが、ところがどっこい...実は小さなストーリーに見えたこの船の上でしか暮らした事がない天才ピアニストという設定こそが、実はとてつもなく大きなテーマを裏に隠し持っていることになっておるとはまったく想像もしておりませんでした。。。 
もうすでにその天才ぶりが世間にも知れ渡っていた主人公が、初めてのレコーディング(もちろん船上で。。。)でピアノを奏でている時に目にとまったひとりの美少女に生まれて初めて恋をしたのをきっかけに、自分の想いを伝えられないまま船から降りてしまったその彼女にもう一度逢いたい...そして誰からもその才能と将来を保障され、誰からも陸に降りる事を勧められていたことにも背中を押され
ついにアッパー.ニューヨーク湾から地上に降りる決意をするのですが、結局はタラップを降りきることができず彼は船上に引き返してしまいます...そこにはどいったいどんな心理が働いたのでしょうか?
...ラストに近づくにつれ徐々にわかってくるのですが、その時感じた彼の気持ちとは「この限りない陸地には終わりがない...終わりがまったく見えない。。。」という一般社会をひねくりつつも
あまりに深~い疑問だったのです。。。
初めて目の前に現れた果てしなくそびえ立つ大都会のビルの群れを見た彼は、自分の想像を遥かに越えて進化していた現代の人間が造り出した「知恵」や「技術」へのリスペクトと同時に、『海』だけしか見た事のないピュアすぎるその心ゆえから感じる「終わりなき欲望」や「正解のない答え」に対する恐怖と無意味さを、その瞬間思いもよらず痛烈に感じたに違いありません。。。
結局、彼は地位や名声、お金、そして恋愛までのすべてを放棄し、その船が廃船になった後もそのままそこから降りようとはせず、最後は船ごとダイナマイトで吹き飛ばされ死んでいってしまいます...(涙)。
彼にとっては一見美しく見えるものの実は人間の欲ののぶつかり合い(権力闘争)とも思える「終わりのない挑戦」よりも、小さくても自分を生き生きと満たしてくれる「限られた世界」のほうを選んだわけです。
よく「人生死ぬまで現役! 」「24時間仕事バカ!」などとお偉い方が口を揃えておしゃいますが、この主人公ほど意志は強くないもののボクもまったくそうは感じません...。
全てにこだわりすぎた結果、確かに「こだわりがないのがこだわり」になってしまったボクですが、何事も区切りを決めて早め早めにリタイアして次に担うということは少なくとも『本物』の大人であれば当たり前のこと...僕らのいうリタイアとは諦めて途中で放棄するという意味ではなく、逆にもうある程度まで経験し満足したからこそこの先は読めるのであえてここでやめておこうという「余裕」のある
行為...だからこそむしろ「終わらせる勇気」がない人ほどボクは哀れに感じてしまいます...。
なぜなら『終わり』がなければいつまでたったも『はじまり』はやって来ないわけですからね。。。

    PS:シュールな話の後ですが...終わらせて(次のステージをさらに)成功させた方といえばなんといっても...

  • ハワイ

『カプコン』の創業者から趣味のワインに私財を100億円以上投資して世界の『ケンゾー.エステイト』 ワイナリーを作り上げた辻本憲三氏...憧れです。。。
(隣りは欲が服を着た-笑-イタリアン『BERNINI』オーナーシェフ 松本賢悟氏と、いつも賢い『BERNINI HONOLULU 』のVice President Motoyo嬢~! )

    そしてたぶん一生終わらない(笑)っていうかいつまでもはじまらないホリケン!! やら...

  • ハワイ

偉くなりすぎた結果、自分たちは終わらせたくてもなかなか世間から終わらせてもらえない20年来の親友で同期の『JOHN LOBB』大社長 松田智冲氏と元『Men's EX』編集長で現『ENGINE』クリエィティブ.ディレクターの松尾健太郎氏やら...
ハワイ

  • ある意味もうとっくに終了して『違うステージ』に行きつつある我らがキャプテンの設楽 洋『BEAMS』大大社長を筆頭とした、ジローラモ&武田修宏らの『エX .3トップ』!!
    ハワイ


    やらと、ボクの周りもどこなのかがわからない真の「終わり」を求めて日々夜な夜な探索中であります。。。(笑)

    最後にまたこの作品の話に戻りますが、やはり『ニュー.シネマ.パラダイス』以降コンビを組む音楽監督のエンニオ.モリコーネの音楽は涙なしではいられないこのストーリーのもうひとつの主役!!
    フェリーニとニーノ.ロータ...或いはリュック.ベッソンとエリック.セラなんかも音楽を越えたなくてはならない名コンビではありますが、やはりトルナーレ&モリコーネのこのペアが一番『神』と言っても
    過言ではないでしょう...彼らの泣けるサウンドトラックを「iPod」で聞きながら横になると、眠りの浅いボクですら必ずやぐっすり眠れるから不思議です。。。