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感じることをそのままに...。

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DEC 2012

『虹の橋』で待ち合わせ。。。

このやさしい...やさしすぎる眼差し...眠そうにパパを見ながら今にもすぐにでも目を閉じてしまいそうな穏やかな表情。。。

だけど彼女はもう天に召されているのです......最後までパパを見つめながら、パパの腕の中で静かに...12月16日の朝9時15分頃に息を引き取ったのです...15歳と9ヶ月の寿命を全うして 。。。(涙)
生前、「飼い主を愛しすぎていたワンコは最後まで目を閉じないんだよ...。」と誰かに聞いたことがありました...そして『グリ』もまた何度も目を閉じさせようと試みたのに心臓が止まっても一晩中、最後の最後まで目を閉じようとはせずパパを見続けていました。。。。(今でもこれが亡がらとは思えません...。)

亡くなる4日ほど前から急激に24時間中呼吸が荒くなり、ついに歩けなくなっていたので危ないなとは感じていました ...。まだ生まれて何ヶ月の時から、かかりつけの先生に言われた「ワンコと人間との寿命年月の差があるのははなぜかというと、生まれた時からのそれぞれの呼吸の早さの違いによって、肺の機能がどうしてもワンこの方が早く悪くなってしまうからなんです。だから元気なのはいいことなんですが長生きしてもらうためにはあまり呼吸が荒くなりすぎないように注意して下さい!」という助言をいつもボクは気にしていたからピンときたのかもしれません...。亡くなる前日の晩はその前の晩まではガツガツ食べていたご飯もついに口もつけられないほどぜいぜいしていて苦しそうだったので、夕方からもうすでにクッションやベッドに寝かせるのもやめてボクのお腹の上でずっと彼女を抱きしめていました......そして夜中、眠るときも。。。

(左から...昔の真っ赤な愛車で「箱根」のハイアットへ旅行した時の『グリ』...毎晩同じキングサイズベッドで隣りに眠る『グリ』...リビングではいつも大量のクッションに囲まれていた『グリ』...この3枚の写真は元気な時のものです。)

するとその晩、うとうとしていると珍しくもの凄く怖い夢を見たのです!中世の牢獄のようなお城...ROMAの「サンタンジェロ」のようなところで大勢の敵から追いつめられ逃げ場なくあせりながら息を荒げたボクと、その足下には『グリ』が立派に背筋を伸ばして仁王立ちしていました...。(なぜか?)生きるか死ぬかの絶対絶命なシチュエーションでありましたが外に脱出さえすれば何とかなると思い、出口を探しておそらくこっちだろうと思う方角へ走りはじめたのですが、振り向けばななぜか『グリ』がまったく反対方向にダッシュしていくではありませんか!!
仕方なく「グリ!どこに行くんだ!?そっちじゃない!!」と大声で叫びながら彼女の後ろを追いかけて行くと、なんとやがて前方の正面方向から月の灯りらしき光が差し込んできたのです!そしてそこに続く石畳の長いのぼり坂を最後の力を振り絞って駆け上がるとついに外に出ることができ命からがら逃げる事ができたのです!!そうです...助かったんです!『グリ』がボクの命を救ってくれたのです!!!

。。。そこでその悪夢から目が覚めました...時計を見ると夜中の3時。。。iいつも忘れません...40歳代になった途端に襲われた「鬱病」が原因で何度も自殺しかかったボクを、いつも隣りでひとりずっと見守ってくれたのも『グリ』でした...彼女がいなかったら今のボクは存在していません...真の「命の恩人」なのです。
「また助けてくれたんだね!」。。。
お腹の上の彼女を見ると、寝室に降りてきた時と同様、真ん丸な目を見開いた変わらぬ姿のまま、しかし「ぜいぜい」とだいぶ苦しそうな声をあげながらボクの事をじっと見つめていました。。。
その時でした...今晩このベッドに入る時まで彼女に誓っていた「絶対に助けるから...どんな手段をつかってでもいい...パパの命と引き換えにしてでも絶対に死なせないから安心しなさい。。。」といった想いが、ただの自分勝手な...ただ自分が悲しい思いをしたくないだけのわがままなんだと感じたのです。。。
『グリ』はもっともっとボクより何十倍も何百倍も遥かに大人でした。。。苦しくて苦しくて仕方なかったのにパパの事が心配で心配で...もうとっくに限界を越えていたのにパパを悲しませたくなくて頑張って生きてくれていたのが...
その時わかりました......。
それから3時間、あんなとこも行ったね...こんなこともしたねといろいろな思い出話しをしたり、もっとこういう事もしたかったねとかあれ食べときゃよかったとかねとか悔し話しをしたり...そして何より、パパの娘になってくれてありがとう...パパに出会ってくれたことに心から感謝をしてるってことをじっくり目と目で見つめ合いながらお話ししたのです。。。
荒い呼吸のままでしたが、その時だけは声も出さず彼女はずっとボクの話しに耳を傾け、何度も何度も「そうだったね~」と「ウォ~ンウォン~」と楽しそうに、そして悲しそうに鳴き声をあげてくれました。。。

そしてその時はやってきました......眠らずに朝7時をすぎてしまったので、疲れたでしょと枕元に寝かせ彼女の身体に顔を押し付けながらうとうとしていると、急にまた力ない声で「ウォンウォン...」と鳴きはじめたのであせって抱き寄せると、すぐに大きく一度だけ、ゆっくりと深呼吸した後、カクカクッと激しく身体を...1度、2度、そして3度動かしたのを最後に彼女の心臓の動きは停止してしまいました。。。
ボクの手の中で...ボクの胸に中で彼女は目を開けたまま、パパを見つめながら『虹の橋』に昇って行ったのです。。。
悲しすぎるほど晴れ渡った日曜日の朝...いつもは心地よすぎる天井からの太陽の光がこんなにも悲しく思えたことはありませんでした。。。(涙)

自慢の愛用の「Juicy.Couture」のベッドに寝かせて、大好きだった軽井沢で買ったお気に入りのハートのブランケットをかけて...それでも死んでいるなんて考えられない!!!
。。。そう心で叫びながら、こんなにも人って泣けるのか...こんなに涙って出るんだって自分でも感心するほど泣いて泣いて、泣きじゃくって...まだ生暖かい彼女の両手を握りしめ、両足をさすりながら...
そして徐々に冷たくなって行く頭や身体を抱きしめ、過酷すぎるひと晩をアルコールとアスピリンに身をゆだね、助けを求めながら過ごしました。。。

なんといってもこの娘はワンコとは思えないほどのまったくと言っていいほどいつも無臭...いやいやむしろ人間さんの若い娘よりもいい香りがしていたぐらいでして、ずっと愛用していたTシャツもマットも悲しすぎるほど何も彼女の香りがしないんのが逆に寂しくて...夜は彼女のお部屋だった「ハワイアン.ルーム」にご遺体を移し、ボクの大好きだった唯一「ワンコ」の彼女を感じる「肉球」のいい(?)ニオイをこれでもかと嗅ぎ続けながら最後の夜を過ごしました。。。

何度見てもただ「気持ちいいよ~!」って目を閉じかけてるだけにしか見えないわけで...(涙)もちろんのこと結局眠れるはずもなく、また朝までいっぱいお話しをしました...だって『グリ』もいっぱい話しかけてくるから。。。

実は現実的にこの日は不思議な事がたくさん起こりました......まず昼間、電源の入っていないDVDがいきなり作動し始めました。動いているのにまだ電源は赤のまま...もちろん誰も触ってなんていません。でもなんか当たり前のようで何も怖くないのです。そして先ほども言ったように陽も傾き暗くなってきたところで彼女とともに「ハワイアン.ルーム」に移動し、たくさんのキャンドルやお香を焚いてご遺体を明るく優しい光で照らしておりました。。。
するといきなりパリ~ンと何かが割れたようなもの凄い巨大な破壊音が。。。なんとその中でも一番頑丈そうな厚いキャンドル.グラスが真っ二つに割れているではないですか!!それも中のだいぶたまっていた煮え立った「ろう」は一滴もこぼれずに「炎」も何もなかったようにそのまま灯り続けているのです!『グリ』の魂がよっぽどここにいるよって知らせたかったんでしょう...もしかしたらまだその時点で自分が亡くなっているとまだ気づいてなくて「パパ!なんで振り向いてくれないの?」って叫んでいたのかもしれません。。。(号泣)
(人の場合ももそうですが、『魂』は自分の存在感を知らせたい時に、よく電化製品や灯りを動かして伝えてくる事が多いのです...。実は父の時も兄の時も同じような事が起きました。)
そして最後は夜中です...彼女の正面に座り、目を見つめあいながら会話を始めようとしたら、彼女を寝かせていた赤いベッドからふと一本だけ長~い『糸』が出ていたのが目に入り、気になったので切ってしまおうと思ったその時、その『糸』が急におかしな動きをし始めたのです!それもだいぶ不規則にゆらゆらと。。。ご遺体があるので部屋を温かくすることもできず、もちろん暖房もつけていないので『風』などどこからも来ていないのにです...年のため四方を両手で囲って何も『風』が吹いていないのを確認した後、再度彼女と会話をし始めるとなんとボクの言葉に合図ちを打つようにその『糸』が舞うではないですか!!!この不思議な会話はつきる事もなく気がつくと朝まで続いていました。
よっぽど『グリ』はパパの事が気がかりだったんでしょう。。。最後の最後まで『糸』は揺れ続けたのです。

そして前日とはうって変わった土砂降りの「涙雨」の月曜日、午前11時から品川にある光照山「真了寺」にてだびにふされた『グリ』姫...そのお骨はベテランの焼き場の方も驚くほど頑丈でしっかりしたものでした。
「自宅の3階から2階の踊り場まで数メートルもあるところを何度もいたずらして落っこってしまったことがあったのに、いつもまったく無傷だったのはこんな強いお骨だったからなんだね。。。」...その今にも歩き出しそうな美しく、かつしっかりした両手両足のお骨を見たら、その原因が一目瞭然で理解することができました。(泣笑)
きれいに、まったく崩れる事もなく焼いていただいたその『頭蓋骨』や『のど仏』なんかは、まるで何かのアートのように美しすぎるものだったのには、さすが我が娘!少しだけですが心が癒された気がしました。。。

メインのお骨とは別に、老後を一緒に暮らすのが夢だったHawaiiの一番の憩いの場である『カピオラニ公園』や、我が家にある美しく大きな「真グリーン」の芝生が広がる『ドッグ.ラン』を思う存分走り回れるように、そのしっかりした両手両足のお骨はお寺で「アッシュ(灰)」にしていただき、ゴールドと貝殻で美しくデザインされた小さな小さな「骨壺」に分骨してもらいました。
今はまだ自宅で眠る愛犬『グリ』姫...いつまでたっても、どこにいてもいつも一緒だよね......毎日毎日、彼女の声が聞こえます...「『虹の橋』で待ってるよ...パパ。。。」
人に気づかれないようなさりげない気配が上手な彼女だったから、必ずやボクが休みで時間がある時を考えていつも大病や怪我等の大きなトラブルのタイミングを選んでくれた君...今回だって絶対これ以上年末年始のバタバタな時に自分の世話で気を使わせたくなかったに違いないのです。だってやっぱりこの時期での唯一のボクの連休がこの16.17のの二日間しかなかったから...(涙)なんでそんなにできた娘なんでしょうか。。。
そして最終的には、この世で一番臆病者で寂しがりやのボクが、何の不安もなく「死」に対して向き合っていけるよう自ら先に旅立って行ったのです。。。
ありがとう『グリ』。。。これからもずっと、一時も忘れる事のない君のあの瞳を胸に...待っててねボクの『グリ』......『虹の橋』を一緒に渡る日まで。。。(愛)