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感じることをそのままに...。

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FEB 2012

失われた『アイデンティティー』を探せ!

ワイハから帰国してからしばらくは身体も気持ちもまったく現場復帰できないまま数日がたちましたが、大好きなモデル『リーザ」との今年最初のスタジオ.シューティング&ツーショット写真に満足してか、
ようやくHAPPY気分で活動開始モード!!(単純...。)

同じ『巳年』同士(はい...そうです...その通りです...ふた周り違いです...涙。)気が合うリーザは、ただでも素敵すぎるスタイルにホットヨガ効果でよりほどよくついた筋肉がいい女っぷりを倍増させちゃったりして、ただ今もうパーフェクトに近いグッドルッキングであります!!(「恋人気分で撮ろうね!」ってテーマで撮ったのに、首にかけた老眼鏡取るの忘れたぁ〜...涙。)

な〜んて楽しそうな話しから始まりましたが、「遊ぶために仕方なく働く」をテーマにして生きてまいりましたわたくしも、若い若いと思いながらも当初のリタイアの目標(完全なる撤退ではありませんが...。)であります50歳に近づいてきた事もあって、こんな状況でこれから我々がいったい何をしたらいいのか?...ここんとこ、そんな事を多少なりともよく考えるようになってまいりました。。。
いろいろなものを見て、聞いて、体験してきた結果凄く感じることなんですが、我々が住むここ『TOKYO』という街は、ある意味ではN.Yをも越えた世界のトップを争うメトロポリスであることは間違いないのですが、ではその中身である『東京ぽさ』...『東京らしさ』とは何かと聞かれたらみなさん答えに困惑してしまうのではないでしょうか???
わたくしも多少関係しておるファッション業界の現状で例えれば、誰もがお洒落だし華やかに見るかもしれませんが、相変わらずの有名トップブランド系は、それこそ世界一のマネーを支払っているにもかかわらず日本らしさを出すわけでもなく、今だに欧米本社の言いなりになりっぱなしだし、セレクト系で言えば、「クラシコ」と言えばいいと思っているのか、もうすでに出尽くした感がある知られざる(はっきり言って知らなくてもいいものまで探し出してますが...。)田舎の老舗テーラーや幻の名品(?)等を見つけたと言っては「イタリア大好き日本人」代表として、絶好の『カモ』となって高額な契約と共にただそのまま持ってくるだけの繰り返し。。。
雑誌社だって予算ない予算ないって国内であんなに貧しいページ作りしてるのに、ただ「イタリア万歳!」みたいなリポートするだけの「PITTI UOMO」とかへのイタリア出張に、ついこの前までファッションとはほど遠い部署だった素人編集を毎回何人も送り込む必要があるのでしょうか??
それが繁栄されて何か新しいものがここ日本、いや東京で生まれるならいいですが、誰もがただコピーするだけでそこには何の『クリエイティヴ』も感じられない!!そしてそこに生じてしまうのが我々の国&街「らしさ」の不在であります。。。
東京が世界に誇れるもの....それは正直『安全』と『ホスピタリー』だけであります。実際、どこの国を旅したとしても、我が国ほど自らの身の危険をも考えず気分よく過ごせる国はどこを探しても見当たりません...。
しかしその唯一誇れるそんな「おもてなし文化」も含めた日本文化の将来性を見たところ、誰かに便乗しないと行動できない情けない国民性に基づいて、今後も今現在と同様、みんながみんな横一線に並んだ人間たちばかりをいくら作り出し世に送り込んだたところで、その本質的な国や都市の『価値』というものは生まれてはきません...。
なぜならものの『価値』とは「他とは違う」ということだからです!!!
本来のその国や都市のダイナミズムというものは、人間ひとりひとりの『個性』やその延長線上にある『オリジナルリティー』ある発想から生ずるものでありますので、政治や社会も含めそこをいつまでもただ真似事だけでつないでいるここ『TOKYO』...いや『NIPPON』に「ぽさ」や「らしさ」なんてあるはずがないわけであります。。。(涙)
もういい加減、日本といえば「和」のおもてなし=「京都」みたいなありきたりな方程式は捨てて、世界に誇れる大都会『TOKYO』を宝の持ち腐れにせず、よりフューチャーし、その「らしさ」や「ぽさ」を各々ひとりひとりのオリジナルな発想から世界に定義づけなければいけない時期なんではないでしょうか!!!
タケ先生(デザイナーの菊池武夫氏、暁星学園の大先輩でもあります!)を筆頭に、最初は東京をバカにするなとスタートした『東京主義』と題されたコレクション(後の東京コレクション)から発したデザイナーブームしかり、アジアの神秘的なポジションで一世を風靡した『Y.M.O』に代表されるテクノポップスしかり、果てしなく東京に勢いがあった80年代...まだ鼻たれ小僧ではありましたが、そんな若造のわたくしですらあきらかにそこに『東京らしさ』の存在を感じる事ができた時代でありました...。
長期の不景気が最大の原因なのかもしれませんが、単純に「自分の意見を堂々と言える...貫き通せる...そして責任がとれる。」...ただそんな簡単な事なのに、それが実行できる人間が数えるほどしかいなくなってしまったという現実こそが『オリジナリティー』の消滅につながっているのは明らかであります。。。
「己をよく理解し、他人には持ち得ない自分らしさをどんどん表現する!」。。。わたくし世代の役割は、こういったちっぽけな壁なようでなかなか乗り越えられない...低いとこなのになぜか高く感じてしまってひとりでは怖くて飛び降りることのできない今の若い人たちの肩を、耳元でそっと「大丈夫だよ!」って言いながら軽くポンっとたたいてあげることぐらいなんでしょうが、80年代のようにひとりでも多くのいい意味での『無法者』がたくさん出現してきてくれるのに期待するばかりであります。。。
もう『TOKYO』の実力は十二分にあるわけですから、いい加減欧米のマネはこの辺にしといて、逆に欧米にマネされる斬新な『東京らしさ』のイメージさえ確立させてしまえば、
こんなに世界からバカにされる事もすぐになくなるに違いありませんからね。。。

な〜んてまたややオヤジの愚痴みたいなこと言っちゃったりしてしまいましたが、そうこうしているあいだに今年二発目のウキウキHAPPYシューティングは、大人気雑誌『O』にて誌面以外にも店頭ポスターにもなるという責任重大なタイアップ撮影を、みなさまおなじみの大人気モデルのヨンア姫とともにLet' Try!!

 

仕事で一生現役なんてまったく勘弁ですが、こんな素敵な女性たちの隣りには死ぬまで一緒にいたい、でれでれのわたくし......わかってるようなふりをして偉そうな事をだらだら言っときながら、
これこそが46年間築き上げてきた本物の『小川カズらしさ』なのであります。。。(笑)