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FEB 2011

『AKB48』来襲!!

テレビをよく知るテレビ...「メディア.リテラシー(メディアから発信される情報を、受け手が取拾選択して自己発信していく能力)」をテーマにした日テレの『メディア.マガジン.29』の収録で、我が家にあのAKB48のメンバーである佐藤夏希ちゃん(早稲田大学人間学部に通う20歳!)と大家志津香ちゃん(「できませんは言いません」で知られる19歳!)がレポーターとしてやってきましたぁ~!
なぜ我が家かというと、今回の番組のテーマが『メイクと衣装から受ける視覚的効果』でありまして、「スタイリストとしての立場でそのあたりのご意見を聞きたい!」&「それなら長年やってる奴の方が説得力あるだろう...。」と久々にこの年寄りに取材が舞い込んだというくだりでありまして、さらにわたくしの唯一のポリシーとしては衣装だけどうのこうのというのが一番興味がなく、その人その人のライフスタイルに応じてそこから...どちらかというと最後の最後にファッションというものがついてくるといった考え方なので、あえて自分を表現する意味もふまえてテレビ局や事務所での収録ではなく自宅ではどうですか?と提案させていただいたところ、大昔に同じくNTVの『東京遊民(石田純一氏が東京の夜遊び名人達を集めて今の流行をナビゲートするちょっぴりバブリーな深夜番組!)』という小洒落た番組から知り合いである演出の長嶋永知氏が快く引き受けてくださったもので、みなさまにご足労おかけしてしてしまいましたがあえての自宅ロケとあいなった次第でございます。。。
到着するやいなやのいきなりの流れでカメラを回されてしまい、緊張する暇もなく日頃接する事もない今をときめく女子アイドルたちから「スタイリストとして心がけている事は?」とか「テレビでの衣装の重要性は?」などの真面目な質問を真剣なまなざしで受けてかみまくるわたくしをフォローするためにやってきたのが、多くのバラエティー等でいつも元気な藤井恒久アナ!ウ~ン...素晴らしい...さすがといった滑舌の良さにとテンポに助けられなんとか無事収録を終える事ができました。。。
しかし、いざこうやって「スタイリスト」の必要性とかを考えてみると、昔と違って今はまったく必要がないということに気がつきました。。。なぜなら
其の一:表に出る側、衣装を着る側にそれを武器にしようと考える方がほとんどいないという現実。武器にする気もないという事は優秀なクリエイターをスタッフリングする必要も無いからスタイリストも自動的にクリエイティヴのかけらもない人材でいいわけで、ファッションの事等あまり知るはずもないタレントサイドやプロデューサーのただいいなりになるほうが仕事として成り立つ。。。
其の二:視聴者サイドに不快感を与える事はよくないのは当たり前ですが、もっと大きな意味での自分の自己表現として誰もファッションをとらえられていないので(つまりそれがライフスタイル...不細工に表現すれば『生き様』から出てくるもの...が何も無い人だらけ...。)、自分の意思とは関係ないまわりからの言いなりの流行やただ小奇麗で無難といったスタイルで満足している方がほとんど。(それは出る側もスタイリストも!!)
其の三:日本の伝統である「侘び」「寂び」を勘違いし、引く事やまわりにあわせる事を美学ととらえる日本人独特の島国根性が、この業界で一番無くてはならない『個性』というものまで殺している。。。日本人はだいぶお洒落になったといわれるがとんでもございません!!
わたくしどもの諸先輩たちや昔の人達の方がよっぽど自分というものを知り自分らしさを表現した個性的なファッションに身をつつんでいらしたので、ひとりひとりが各々ばらばらでかっこ良かったんですよねぇ~!今はみんな右へ習え。。。
つまりまわりの目線や流行にとらわれすぎて(ブランドやトレンドなんて最後のスパイスでちょびっと加えるだけでいいのに...。)、その人その人の「個性」を伸ばすスタイリングをする若手スタイリストが誰もいない。。。つまりそれは裏を返せば自分のスタイリングに自信があるスタイリストがいないという事!
其の四:「衣食住」のバランスが悪い!一番過ごす時間の多いはずの住まいや環境に気を使わず(眠れればいいというダメな発想!)飲食にも興味がなく(忙しいからを理由にコンビニやお弁当で毎日を過ごす的な...。)ただ洋服だけは大好き(好きなのとプロとして実行できるは別ものですから!)みたいなスタイリストが多い!その上基本のファッションにしたってストリートなのか着くずしなのか知らないが、どこに行ってもスタイリストの服装が一番汚らしく感じる!やはりそれは外見の問題ではなく中身の問題ではないだろうか??
ブランドものをを着て、高い家賃のマンションに住み、年代物のワインを飲めとバブった事を言ってるのではなく、少なくとも「スタイリスト」と名乗るんだったら服装の事はもちろんのこと、その他あらゆるジャンルに対しても...例えば食に関してでも高級イタリアンからお茶づけまで(幅広く!)その時その時の状況において使いわけられなければ、時代の先端をいく職業として何の説得力も感じられず、とても一流のクリエイターとは言うわけにはいかない...。つまり必要なのは知識と経験にからくる『バランス感』!!!わたくしどももそれを身につける為に、これまでとんでもなく長い時間と高い授業料を払ってまいりました...。そうやってお金では買えない信頼感やネットワークをやっとこの歳にして、ようやく得れるようになってきたわけですから、若い人達ももっと外へ外へ出て行かないと!何度もしつこいですが、ファッションとはライフスタイル全般に関するものです!!本当にファッショナブルな人はどこかひとつだけとかではなく、生き方全てがファッショナブルだという事に気がついている人が少なすぎます。。。
......等々、言い出したらきりがないっ!!そりゃあ~ギャランティーも「スズメの涙」になるはずです...。これからもし「スタイリスト」になりたいとお考えの方がいらしたら、長いものに巻かれる事の無いオリジナリティーあふれる感覚で勝負なされないと、おそらくもうこの業種はまったくクリエイティヴを必要としないただの「衣装係」...あるいはプレスとテレビ局を毎日行き来するだけの「宅急便」というジャンルにおいつめられるに違いありません。。。(涙)
わたくし的には、もともとまったく洋服に興味がなかったのが幸いしてか、逆に早くからフォトグラファーやトータルディレクション的な方向にすすませてもらい、そこから様々なものを学ぶ事ができ、今考えてみると時代的にもこれからという時だったのもあって、バカな事もいろいろ経験させていただきましたし、ありとあらゆるジャンルのお仕事に携わる事が出来て誠にラッキーではありました...。
なので「後世に伝える」というほど大げさなものではございませんが、せっかく30年もやらせていただいたので、もう少しだけ...もう少しだけ何か今後に役立つお手伝いができれば後ろ髪もひかれることなくワイハで『隠居生活』できると信じて、いただいたお仕事ひとつひとつを大事にしていきたいと考える今日この頃でございます。。。(真面目すぎかっ!)

写真:
*AKBのお二方に囲まれでれでれの若作りのおっさん!!心の汚れを隠す為(まったく消されておりませんが...スタイリスト失格か??...。)に全身「ホワイト」で挑んでみました!この時は私服チェック後だったのでプライベートな衣装でしたが、いらした時はみなさまよくご存知の歌衣装的な制服だったんで、おじさん思わず目がテンになりましたぁ~!!ちなみにON.AIRは今月、2月26日(土)am10:30~でございますのでご興味のある方は是非見てみてください!!!

*いつも元気な藤井アナ。働きずくめらしく終止目は泳いでおりましたが...サラリーマンなのに毎日テレビ出演&ナレーション等々...ホントお疲れさまです。。。