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感じることをそのままに...。

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JUN 2010

なぜか今頃、気分は『パパ.ヘミングウェイ』。。。

今まで45年間、文学はもちろんの事...芸術、ファッション、スポーツ、アウトドアそして恋愛等々、常に男としてのパーフェクトなライフスタイルのシンボルとして伝説とされている「アーネスト.ヘミングウェイ」に僕自身まったく興味を持っていませんでした。。。それは単なる読まず嫌いだったのか、彼の旅や冒険、戦争的なイメージから都会派のわたくし(?)とは相反すると勝手に思い込んでいたせいなのか、あるいは今考えるともしかしたら理想の男性像への『ナルシスト小川』としてのささやかな抵抗や嫉妬だったのかもしれません...(笑)。ところがつい最近たまたま手にした『ヘミングウェイの流儀(日本経済新聞社)』という彼の作品ではなく彼の所持していた服や時計、帽子、靴、写真、絵画、さらには手書きのメモ、汽車の切符や領収書までの大量な遺品からヘミングウェイ像を分析したという新たな視点からの一冊の本によって「目からうろこ」とはこのこととばかり彼の生き様にはまってしまったのですっ!!
それはなぜかというと(ここからは怒らないで心を広くして聞いてやって下さい...。)僕とやる事なす事、感じる事すべてがやたら似ているから!!
IVYスタイル(アメリカ東部の名門8大学のキャンパスファッション)やプレッピールック(IVYリーグを目指す名門ハイスクールのスタイル)がファッションの原点というのは当然ではありますが、その他いくつかピックアップすると。。。
*好きな物がはっきりしていて自分のスタイルにブレがない。(一度納得して気に入るとお金や時間にいとめをつけず求め続けてしまう...。)
*服装や身の回りのものは実用的で長く愛用できるものしか選ばない。(そのかわりお気に入りのものは色違いでいくつも揃えたりダース買いしたりしてしまう...。)
*特注ものが多い。(スーツやダブルブレストのジャケットなどはもちろんのこと、軍服までわざミラノでオーダーしたりしている「パパ」!わたくしも小学生でグローブをミズノ(フェイバリッツ参照)、スキーウェアーをアディダス(まオレンジの上下でした!)で発注したのを皮切りに様々なオリジナルをオーダーしてまいりました...。)
*普通の着こなし大嫌い!外しの着崩し大好き!!(グレイフランネルがスーツの象徴とされた時代にスポーツ、アウトドア用のカジュアルな素材であった「ツィード」のスーツを常に身にまといそれに無地のタイやウールタイを絞めていたり、モーニングなどのフォーマルが常識な自らの結婚式にでさえもAラインのJKに白いフランネルトゥラウザー、そしてホワイトタイやアスコットではなくただのレジメンタルタイを合わせたりしていたそうです...。その時代時代の慣習を無視した...自分らしい、自分にあったスタイルを貫く。。。そしてそれがトレンドになっていく...それってわたくしのスタイルとかぶり過ぎ??ー笑うところじゃありません...ー)
*まあ遊び好き。。。(釣り、狩猟、乗馬,スキー、水泳、カヌー、テニス、ボクシングから始まり車、船、音楽、酒、そして女...<ここは僕と一致しませんが...。>と!よく働くかわりその何倍も遊ぶ。。。日本人の駄目なとこは働くだけ働いてその先がないとこ!好きなものに囲まれて楽しい時間をたくさん手に入れるために働いてるんだから、みなさまもう一度人生設計をしっかり考え直してみてはいかがでしょうか?)
*世渡り上手。(実はちょこちょこ広告塔になったりしながらうまく特別待遇や金銭的な援助を手にいれつつ家族や友達とともに豪遊したり、著名な先輩達の助言をしっかりうけて、まだ無名であったミロの絵画『農場』をはじめ、様々な後の名画を手に入れたり...運も実力のうちとは言いますがそれだけでなく使えるネットワークを最大に、いい意味で利用してうまく生きぬいておられたようです。。。そこんとこは我ながら非常に酷似していると思われます...。それに通じてわたくしが声を大にして唯一自慢できるとこは『お金の使い方が上手!ー自画自賛ー』な事でもあります。すみません...。)
などなど。。。
でも真面目に言わせていただくと、一番共感できるとこは「本物」にこだわる姿勢(全ての空白は知識と経験で埋められる...だからこそ実体験が最も大事であると言い続けたリアリズム主義者でありました。)であります。。。しかし皮肉な事にそうでありすぎたため、質実剛健でありながら繊細すぎた『パパ.ヘミングウェイ』はその実体験を肉体的、精神的にかなえられなくなった1961年、自身に向かって引き金を引きました...。僕の最も尊敬する故、加藤和彦氏(彼も大のヘミングウェイ好きで有名。彼の最高傑作ともいえる坂本龍一、高橋幸宏、大村憲司と共に海外レコーディングされた79年発表の僕の思い出のアルバム名もなんと『Papa.Hemingway』!!)も同じ理由で同じ62年の生涯を自ら幕を引きました。(偶然かうちの父親も62歳でわたくしが高校3年の夏に病気で他界いたしました...。なにか意味があるのでしょうか??)
だからこそ僕たち世代は、昔も今も、いい時代も悪い時代も経験できている最後の世代であるわけですから「そこ」は決してかぶらぬよう...
生かされている意味をよく理解し強く生きていけるよう、本当の意味での自分らしい「物語」を命ある限り書き続けていきたいものであります。。。

写真:
なんか「パパ」に夢中になればなるほど若い頃から愛用していた『本物』の品々が愛おしく思えてきて、引っ張り出してはその素晴らしさを再確認する
今日この頃。。。
*一番仕事で走り回ってた頃助けてくれたコードバン(真ん中)をはじめとする「オールデン」の靴たち。今年の夏は短くロールアップしたジーンズな
んかに素足でこの無骨なアメリカンシューズをあえて合わすのが気分かな。。。
*パリの本店に生まれて初めて訪れた時は涙した「ウェストン」の面々。20代の頃オーダーメイドした黒エナメルのローファー(右から3番目)は当時自慢の一品でした!ここにはまだない赤茶のクロコ.ローファーは「死ぬ最後に買う靴」として決して若くして手にいれてはいけないと誓って今にいたっておる一足...。
*ずらりと並んだ「ジョンロブ」のブーツ中心のカジュアルシューズ群。雨の日も風の日もここの靴を履いてるだけで幸せな気分になれました。。。
(SATCにおけるキャリーのマノロブラニックの男版みたいなものかな...。)ドレスシューズも数足あるんだけど仕事的にやっぱりラバーソウルの方が重宝しております。。。こういう高級カジュアルシューズをがんがん雑に履いて傷ついたらついたで油がんがん塗って磨いてみたいなそういう歴史のある感じが大好きなわたくし。よく例えるんですがエルメスの高級シャツを洗濯機に突っ込んで洗いざらしをよれよれで着ちゃうみたいなのがいいんだよね!!
(その辺が「パパ」と似てるとこでもあります。。。。)
*昔から愛用している「モンブラン」の万年筆。偶然いつも必ず持ち歩いているのは92年発表の今やプレミアとされている『ヘミングウェイ』モデル!
(左から2番目)しかし、あくまでもモンブラン社が偉大な作家へのオマージュとして世に送り出したものらしく「パパ」自体は「パーカー51」を愛用していたらしいです...。たくさんあるようですが、これでも5~6本は無くしております...。
*20代の時海外に出る度に探し出してた「アンティーク時計」たち。「ロレックス」のものなんて7~8本あったのに引っ越したり人にプレゼントしたりしてたらこの六角型の一本(左から2番目)になってしまいました...。あとは「ペルゴー」や「ロンジン」の物などそんなにお高いものではないですが、
もう製造してないものだから価値ある品々。美術品とかもそうですが、こういうものは『恋人』と一緒で出会いが大切なんですよねえ~。わかります~?