もともと僕の実家がある渋谷区神宮前で、僕が生まれた頃から昔ながらのお布団屋さんを経営していたお父さんの家業を継がずに 、いきなり当時はまだ野の物とも山の物ともわからないインポートの洋服屋さんを始めた二人の兄弟がおりました。。。お兄さんはその父親が経営する布団屋さんの2階に、まず小さなウェスタンブーツのお店を起こし、それが軌道にのると『（株）ストックマン』という会社で当時爆発的な人気を起こしたフランスブランド『Marithé François Girbaud』のジーンズを扱う『BALL』社の代理店等で大成功を収め、その後ヨーロッパを中心とした、世界中からのインポートアクセサリー及び衣類等の販売、卸、合同展示会 企画／、運営、出版などの事業を展開し さらなる飛躍を成し遂げた金子順持氏…。
弟の方は兄の影響を受けながらも別会社の『（株）金万』を立ち上げ、『ストックマン』よりもさらにお上品なフレンチブランド『HEMISPHERES』を中心に『Harriss』等のフレンチトラッドの最先端を日本に確立させた金子清光氏…。
幼き頃から ご近所さんということでお付き合いがあり、（特にうちの母親と、布団屋で後に青山でロンドンタクシーに乗った名物タクシードライバーとして有名だった金子パパとは仲よかったなぁ…。）さらにはこの業界に入ってからも色々お世話になってきた順持社長は惜しまれつつも2016年3月に他界されてしまったんですが、そのDNAを継ぐ弟の清光社長の息子 でハワイ在住のデニスが、N.Yから帰国したばかりに妹のシンディと共に新たにブランドを作り展示会を東京の『金万ショールーム』でも開くというので 早速 見に行ってみることに!!
とりあえず「腹が減っては戦ができぬ」とショールーム近くの原宿にある、リニューアル仕立てで いきなり超モダンなインテリアに生まれ変わった四川料理の名店『龍の子』に立ち寄り、
お決まりの若い時代からの大好物「棒棒鶏ランチセット」（¥1200）と
「麻婆豆腐ランチセット」（¥1200）を頼みつつ、早くもランチビアー〜!!
ご飯もおかわり自由だから、やっぱりいつ伺ってもここのランチタイムは行列が絶えません。。。（笑）
さぁそしてその注目の兄妹ブランドとは
全てハワイのアトリエ & 工場で作られている『bango』という
どこか懐かしく
どこか南国らしい素材感の中に
日系移民が初めて島に移り住んだ時代を思い起こさせるような古き良きハワイをイメージしたブランドや、
超超まさかなんですが、『LANI’S General Store』という
なんとちょっと前まで 僕がハワイの友人たちと一緒にアロハショーツとかをディレクションして作っていた 知り合いの工場を、偶然そのまま買い取って作っているという
アロハ生地を使用したカジュアルブランドから
そして「PIZZA」が大好きなハワイロコデザイナーが儲け感覚ゼロでデザインしている『All Day I Dream About Pizza』というユニークなブランド…
そしてそしてデニス自身が「金子家がアパレル商売を始めたルーツの場所」としてキラー通りのアパレルを始めたきっかけのウェスタンブーツ屋さんがあった跡地に作っていたスケートボードショップ『THE 1st SHOP』のオリジナル『一番』Tシャツまで…。
いやいや、彼がハワイに移住してまでやり遂げたかった遊び心 満点のALOHA なアイテムをたくさん出会えて 楽しかったなぁ〜!!
それが今時なのは重々承知なんですが、これからはITだかビットコインだかわかりませんけど、 まぁ夢も希望も経験もないのに ただお金 お金と儲け主義だけでパソコンひとつで贅沢に暮らすことしか目標にない 、全てをビジネスと考えるような、僕からすればつまらない人生だろうなぁと思える超現実主義の若者たちか、デニスたちのようなお金では買えないかけがえのない物や夢を追いかける実践指向かつ 目に見えぬものを夢見る非現実主義の若者たちと、まさに真っ二つなんでしょうけど、やはり僕のような古い人間は 、苦しくて辛いことも多いとは思うけど 絶対的に後者の生き方の方が、 そこから得たわずかな喜びの大きさに人としての生きている意味を感じるような生き様の方が、いくら時代遅れと言われ続けても どうしても人間ぽくて素敵だと感じてしまうもんでありますので、是非デニスたちにもいつかまた訪れるであろうそんな人間味のあるいい時代を信じて、ハワイで頑張って欲しいなぁと思います。。。
デニス…今度 Honoluluで飲もうね〜!!
その後数件衣装リースをこなしたら、（なんせ次の週というか今週ですが、体ひとつしかないのに本番9本!! アシスタントがいた頃が夢のようであります…涙。）
ディナーは翌日から仙台出張だったので、体調を整える意味でも
軽めに西麻布旧テレ朝通りにある名店『魚料理 田はら』…もうどれぐらいぶりの訪問でしょうか？
昔は2日に一度通っていた時期もあったほどお気に入りでしたが、
大将が一時期 体調を崩して以来、 僕的にどれを取っても『日本一のランチ和定食』なんかを毎日やっていたのが 定期的にしかやらなくなったり、
夜も早めに営業時間を切り上げたりするようになってからは なかなかタイミングが合わず、しばらく店から遠のいておりました。。。（涙）
今回も20時ぐらいに予約すると、ギリで「今日は21：00ラストオーダーなんですけど、それでよろしければどうぞ〜。」と一見さんには超無愛想で有名なものの、僕にはやたら優しく接してくれる（笑）名物おかみさんが対応しくれたので、明日が早いので逆にちょうどいいやと即予約完了〜!!
僕のこの店でのオーダーの仕方は、あくまでもやはり最後の名物のアレ（笑）が目当てなので、生ビールで乾杯しつつ、
軽めに「なすのしぎ焼（焼きなすをだし汁につけたもの）」、
シンプル極まりない「冷やっこ」あたりをつまみつつ
「冷酒」にチェンジしたところで
出汁スープが最高に美味い「野菜のはるさめ（冬瓜とはるさめの和風スープ仕立て）」でお腹を少し温めたら 他の刺身や焼き魚等の魚料理には目もくれず、
まずはボリューム満点でぷりぷりの「海老フライ」イキ〜のの、そうです…ここでようやくお待ちかねの
誰もが認める御代わり必至メニュー…日本一の「あじフライ」の登場です!!!
若い頃は一人で2人前は軽くいただいておりましたこの究極の「あじフライ」ですが、大将が手間暇かけて細かい骨を一本一本ピンセントで抜いたところに空気を入れこむように、サクサクの軽い衣とともにふわっふわに揚げていく肉厚な逸品でありまして、これだけでかつてはミシュランの一つ星を2年連続で受賞なされた まさにこの世の最強とも言える「あじフライ」!!!
ソースとともに、またこの普通のとは一味も二味も違うマヨネーズをつけていただけば もう「ウマい!!」なんて言葉すら、何も口からは出てきません。。。
僕もよくいる「アジフライは臭いし大嫌い!」派の先端で旗を振っていた人間なもので、ここまでこの店で騙されたと思っていただいいてみたもので、ここまで一挙に「あじフライ命」派になってしまうとはまさに夢のよう…それぐらいここのは何もかもが他の「アジフライ」とは違いすぎて、未だに本当に同じ料理なのか疑ってしまうぐらい凄すぎなんであります!!
〆で「ご飯、汁、香物セット」を追加すれば もう自らこの世で一番の魚定食を完成させることができますので、まだ未経験の方は絶対絶対に一度は経験してみることをお勧めいたします。。。
