8月21日に「あきた芸術劇場ミルハス大ホール」にて行われる、『クラシック・キャラバン2023 華麗なるガラ・コンサート』の司会を務める俳優 高橋克典氏のスタイリングのお仕事で、
前日入りの20日14:55の便で羽田から、人生初の秋田へ旅立ちました…本当は19時過ぎ到着の便だったんですが、せっかく生まれて初めて秋田へ上陸するのに、何か美味しい郷土料理をいただかないと、わざわざ来た意味がありませんので、一便早めた16:00着の飛行機に変更してもらいました。
15分遅れでついに初上陸した、とても東北とは思えない天候と気温のこの日の「秋田空港」は、あまりに何もない素朴としか言いようがない景色な上に、
タクシーも一台も捕まらず、仕方なくリムジンバスで秋田市内へ向かうことに…それも40分近くも走るとは夢にも思っていなかったので、
結局「秋田駅」近くに位置する、まさかの『西武デパート』と繋がっているというユニークな
『ANAクラウンプラザホテル秋田』に到着したのは17:30近く…念のためにレストランを18:00予約にしといてよかった〜。。。
すぐさまホテルからわずか数分とGoogle先生が示すレストランを目指し ホテルを出ると、
歩いて1分も経たない「秋田駅西口」手前の
交差点角の雑居ビルに
早くもその『とっぴんぱらりのぷ』という風変わりな店名を発見。
実はぶっちゃけ秋田で有名な夜に行くような和食店や居酒屋というと、正直10軒ぐらいし見当たらないようなんですが、この日は日曜日ということもあり、そのうちの7割程度が休みでありまして、それでもやっとの思いで最後の一席だけ空いてるところをGetできたのが、
こちら…利き酒師が厳選した地酒と焚火料理が売りの『郷土料理 とっぴんぱらりのぷ』。
この店名の意味は、秋田県だけで使用する昔話の結び文句ということで、一般的には「めでたし めでたし」のことを指す言葉なんだそうであります。
店内は入って右側に日本酒の一升瓶がずらりと並んだモダンなカウンター席、左側にはいきなり秋田らしい囲炉裏が真ん中にど〜んと構え、
その周りをぐるりとカウンター席が囲む といった、風情のある演出となっており、その奥やサイドにもいくつか個室が用意されていたから、箱としてはだいぶ大きく感じられましたが、お客さんをそこまで詰め込まず、ゆとりのある空間作りがされているので、とてもリラックスできる贅沢な時間が過ごせそうであります。
まず最初に本日漁れたての鮮魚と
旬な地野菜が紹介され、これはこの店自慢の「原子焼き」という調理法で丁寧に焼かれ 提供されるとのこと。
最初のお酒は超辛口の山廃純米生酒「秋田県 刈穂 番外品+22」(一合¥1280)...辛さだけでなく、旨味も兼ね備えたハードなキレが持ち前の、秋田を代表する日本酒であります。
お通しがまた豪勢でありまして、右上から時計回りで、相当美味しくて驚いた「ホッキ貝酢味噌和え」にピリ辛の「雲丹のジュレがけ」、噛みごたえが半端ない「地鶏締め肉」に、ほぼ食感は「きりたんぽ」に近い「ガーリック海苔巻き」…といった、これだけでだいぶお酒が進んでしまいそうなアテ4種盛りが登場。
そして意を決してオーダーしたものは
北国秋田県 の伝統食であり保存食でもある「ハタハタ寿司」(¥490)…初めて食べた印象は案外クセがなく、小肌の酢漬けをもう少し発酵させたような味でしたので、僕は好きかも。
朝漁れした様々な魚を、叩くというよりかは小さめにぶつ切りにした「鮮魚なめろう」(¥680)は海苔や紫蘇の葉に巻いていただきます。
そして何と言っても食べてみたかった「古流山田式きりたんぽ鍋」…小鍋(¥1500)でも一人では多いというので、さらにハーフポーションのものを出していただいたんですが、やはり思っていた通り この比内地鶏のスープが激ウマで牛蒡やネギとの相性が抜群!!
「きりたんぽ」自体もほぼお初と言っていいほどでしたが、やはり米の名産地ということで美味しくないはずはありませんよね〜。
「古流山田式」というのは、秋田県出身の鶏研究家の山田定治(やまださだじ)さんが比内地鶏の美味しさを世に広めるために考案された「きりたんぽ鍋」のことで、比内地鶏が入ることはもちろん、
辛味大根を付ける事が大きな特徴。
辛いもの好きな方なら、七味を大量にぶっかけていただけば、より旨味が凝縮されること間違いなし。
二番目にお願いしたお酒は秋田県「山本酒造」の日本酒度+15の超辛口純米酒「ど辛」(一合¥1080)…あまりのスッキリさで、水の如くスイスイと入って行くからこれはマジでヤバい!!
「仁井田のヤングコーン」(¥300)に
「羽後のオクラ」(3本¥360)、
「比内地鶏のつくね 温玉添え」(¥580)と立て続けに焼き物が登場したと同時に一気に飲み干してしまい、
早くも三番目のお酒…やはり同じく秋田県、八峰町の酒蔵「山本酒造」の冠酒で、果物を感じさせるジューシーな味わいが特徴の「山本 ピュアブラック」(一合¥1180)がお目見え。
最後は焼くのに4〜50分はかかると言われていた、囲炉裏端でじっくりと串焼きにする日本古来から伝わる伝統的な調理法で提供される
「比内地鶏の原始焼き」(¥990)…ほんのりと塩をかけただけの素朴な味なので、時間がかかった割に これは少し物足りなかったかな…苦笑。
ただ写真ではどれも程よいサイズ感に見えますが、見た目結構なボリュームなので、もうさすがにお腹がはち切れそう…。
最後に囲炉裏で温められていた「あら汁」をサービスで出してもらったら、痛めつけられた五臓六腑が喜んでいるのがよくわかります。
まぁこのために東京から丸一日、何も口にせず挑みましたので、とりあえず秋田一発目の孤独のグルメは大成功〜!!
店を後にし 秋田駅西口前広場に向かうと、なんと古き良きアメリカの「ドライブシアター」を彷彿させる
「ターフシアター」とでも言いましょうか(笑)、芝生の駅前敷地内で、僕の愛するジュゼッペ・トルナトーレ監督作品の「ニューシネマパラダイス」を上映してるじゃないですか〜!!
ちょうど8月19日(土)20日(日)の2日間に渡って行われていた『秋田エキマエ野外上映会』というイベントだったらしく、みんな地べたに座りながら肩を寄せ合い眺めている姿が、なんか東京では考えられない光景で実に新鮮だったなぁ…確かこの「ニューシネマパラダイス」の劇中にも野外上映会のシーンが出てくるので、なんかリンクして不思議な気分かも。
そしてそろそろホテルへ帰ろうとしたその瞬間、間がいいのか悪いのか目に止まってしまったのが
若者が行列を成しているまっ黄色な派手な看板…そこに書かれているのは昭和13年創業の屋台中華そば『末廣ラーメン本舗』。
すぐさまネットで調べてみると、なんとなんと、秋田出身の芸能人 佐々木希さんも絶賛という、それもあの京都の名店『新福菜館本店』で修行をした先代店主が、独自のアレンジを加えて開いた、秋田で一位二位を争う大人気ラーメン店ということで、
そりゃもういくらトゥーマッチでも味見ぐらいしとかないと後悔すると、
5〜6分ほど並んで ようやく大混雑の店内に潜入に成功〜!!
やはり一番人気は「中華そば(並)」(¥850)と、全く見た目も『新福菜館』と一緒で真っ黒な「ヤキメシ」(¥690)のセットということでしたが、さすがにそこまでは食べれませんので、「中華そば」単品を、
胃を洗い流す意味で(笑)「芋焼酎の水割り」(¥500)と共にオーダー。
すぐに入れ放題の「ネギの山盛り」が登場し、待つこと4〜5分…
やってきた「中華そば」とは、『新福菜館』のあの醤油味ベースの真っ黒な見た目よりかは、やや薄めな色で塩味ベースの豚骨白湯スープで、麺は低下水の中細ストレート麺…チャーシューというか薄切り豚ロース肉が結構な量入っているのもやはり『新福菜館』直伝といった感じで、総評とすればややこちらの方がよりあっさりな気がするかな〜。
それでも県民制なのか若干塩味が濃厚なので、ネギは入れれば入れるだけ美味しくなるのは確かですので、どんどんマシマシで追加して行くのが正解…。
いやぁ秋田のラーメンは、やはり鍋と同じく比内地鶏からとったあっさりスープの「昔懐かしの支那そば」的なものが主流だと思い込んでいたので、まさかここであの『新福菜館』のアレンジ版と出会うとは…明日も会場入りする前に、秋田一の名物「稲庭うどん」を食べる気満々でしたが、お昼じゃおそらくまだまだお腹がいっぱいで何も食べれなさそうなので、
公演終了後の東京行きのすぐの便が大混雑で取れず、搭乗まで4時間近くあると聞いたから、まっ、その時に食べに行けばいいか…😅。
とまぁ〜どこまでも食い意地の張った57歳(来月で58ですが…汗。)…でももう死ぬまでに何回美味しい食事に出会えるか、そんなには数は多くないと思うので、食べれるチャンスがあればとことん食べてみたい今日この頃であります。。。😌