青山三丁目から西麻布に向かっていくと 右側に現れてくる、
昔は高級マンションで有名だった『アルテカ ベルテプラザ』…実は20代の頃、ここの一室を購入しようかと手附金まで払ったんですが、 土壇場でキャンセルしてしまったという曰く付きの思い出のある場所。
車さえあれば 最高にいい場所ではあるんですが、なんせ窓から見える景色が「青山墓地」一色なもんで やはり無理かなぁと…苦笑。
その地下には だいぶ昔から存在するイタリアン『リストランテ アカーチェ』と韓国薬膳料理店『雑草屋』、そしてかつては僕の学校の大先輩でもある 故 藤村俊二さんが営んでいた『オヒョイズ』が入っていた、知る人ぞ知るちょっとした名店街…。
そこの「オヒョイズ」跡に数年前 鳴り物入りでやってきたのが、1966年に赤坂にオープンして以来、 数多くの文化人や遊び慣れた紳士淑女が集う伝説のレストラン『カナユニ』…その赤坂オープン時には、禁酒法時代のシカゴの闇酒場で あのアル.カポネにお酒を出した経験のあるという塚本元吉氏がバーテンダーを勤めていたり、常連だった三島由紀夫氏がここの名物「オニオングラタンスープ」をエッセイで絶賛していたり、「サングリア」や「キール」、さらには「ボジョレーヌーボー」までも日本で初めて出したのがこの店だったりと、 何かと歴史を感じさせるエピソードがたくさん詰まった、『CHIANTI』か?『カナユニ』か?とよく比べられる名店中の名店であります。
僕のオーダーはもう定番でありまして
まず前菜として 予想を覆す胡麻のソースが斬新な「姫サザエのラグー」からスタートして
1980年に牛生肉の調理法として特許を取得している「タルタルステーキ」は
店主の2代目オーナー横田誠氏が 様々な薬味や卵黄を混ぜて目の前で仕上げてくれるそのパフォーマンスにも注目…さらにこの添えられた薄いトーストにのせていただくんですが、またこれが美味すぎるのなんのって だいぶヤバし。。。
そして 先出の三島由紀夫氏が愛した幻のスープといえばここの名物の筆頭でもあります「オニオングラタンスープ」…もうこれに関しては言うまでもありませんね。。。
生演奏が入ることでもとても有名なこのお店…この口元を隠したポーズでよく登場する FBで有名な話題の女子もおりますが、(笑)多少似ておられるものの 今回のボーカル女子は その方ではございません…苦笑。
この日の なかなかの迫力のある女性ボーカリスト&ピアノのコラボは、スペイン語で歌われるキューバの切ない歌が中心だったので この店との雰囲気ともマッチしてとてもいいLIVEで大当たり…日によっては演奏がうるさすぎてテーブルでの会話ができなくなる時もたまにありますが、今回は大正解でありました。。。
メインのお肉はいつも通り「ほうれん草のチーズ焼きヴィロフレイ風添え 牛フィレ肉のオーブン焼きマデラ風」、
さらに紫蘇の香りが食欲をそそる名物「ビーフピラフ」に
ライスも入ってるからドリアといった方が正確には正しい、これまた外すことが不可能な「小海老のグラタン」と続き、
〆中の〆は 、ここまで名物だらけのこのお店でも
また特に有名な
「タルタルステーキ」同様 オーナー自ら目の前で一から作ってくれる
フルーツ&お酒をたっぷり入れて煮込むこと数十分と
超手間のかかった
「クレープシュゼット」とくれば 、もうこれこそがこの上なき至福のとき。。。
これらのメニューがもう50年以上の前から定番のメニューだって言うんですから、どれほど当時からハイカラなお店だったかお分かりですよね??(笑)
ちなみに『カナユニ』とい店名の由来は「かなりユニーク」の略とのこと…またそのエピソードもそれそのものがユニークすぎですよね〜笑。
あっ! 最後にこれも忘れずにご紹介しとかないといけません…知るひとぞ知る これまた名物の、ボトルの表面をレモンスライスの入った厚い氷で覆い尽くされたとろっとろのリモンチェッロ。。。
旧『カナユニ』時代の伝説のバーテンダー武居永治氏が 当時ヴェネチアのハリーズバーをはじめ 数々のイタリアの名門バーの味を吟味し提案した、まさに 本物の食後酒でありますが これここそ 歴史を感じざるを得ない奥の見えない深すぎる味わい…あ〜この奥深さがわかるようになったってことは、僕もようやく少しは大人になれてきたってことなのかもしれませんね…今夜はいい夢を見て深い眠りにつけそうであります。。。(笑)