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NOV 2011

『ROZZO SICILIA』

親友の石川勉シェフ率いる、誰もが知ってる今だに予約のとれないシシリア料理の名店『ドン.チッチョ』。。。もう20年近く前からよく知る勉ちゃんは、ご存知の方も多いと思いますが、ここ青山学園前に店を出す前は外苑前に『トマジーノ』という名でもう少しこじんまりとしたシシリアンをやっておりまして、またこれがたまたまわたくしの事務所の真隣りということプラス、できた当初は今ほど予約も取りにくい状態ではなかったのもありまして仕事が終わると社食のように毎日通っておりました。(まだ幼かったうちのグリ姫にもわざわざ席を用意してくれて、シェフお手製のワンワン用リゾットなんかも作ってくれたりしたもんです...懐かしいなぁ~...。)そんな外苑前時代から勉ちゃんを支えてきたサイドシェフの中村嘉倫とフロアーマネージャーの阿部努氏ふたりが独立して、これまた今度はうちの南麻布の家から歩いて行ける四の橋交差点の絶好なポジションにその血をひく「シシリアン」を出したっつ~んだからそりゃあ~まさに願ったりかなったりであります!!
その名も堂々たる『ROZZO SICILIA』!!

9月にオープンしたばかりなのにもうすでに予約がとりにくいと聞いていたので、ダメもとで当日の昼間連絡してみたところ...「うわ~っ!カズさ~んじゃないですかぁ~!なんとかしますから是非!」と阿部氏の嬉しすぎるリアクションで早くもテンションアップしてしまったわたくし!正直わたくしなんぞはもう忘れられてるだろうと思っていたうえに、たとえ覚えていたとしても「わがままなあいつだけは来ないことを願う...。」と思われてるんじゃないかと後ろ向きな考えをしておりましたもんで(散々勉ちゃんの店時代は言いたいこと&やりたいことばかり言って、いつも彼らを困らせてきましたもので...。苦笑)
ここまでウェルカムに迎えられるとは想定外...心温まる彼らの対応や姿勢にただただ感謝であります。。。
それも中村シェフの目の前でありますいわゆる『シェフズテーブル』までご用意していただいて...(涙)。さっそくオススメのスプマンテをワンスナップで喉の奥に流し込んでから、いつも通りオーキー(樽熟成された)な白が好きなわたくしにあわせて阿部氏がチョイスしたものは、今イタリア本土でも最も注目株でありますシシリア.ラグーザのワイナリー『VALLE.DELL.A.CATE』の「BIDIS」!!
シャルドネとインツェリアをミックスさせたその黄金でリッチな味わいは、最初冷やして「ティオペペ」のようなすっきりと鼻を抜けるような感覚を楽しんだ後、常温にもどせばもどすほど徐々に樽の持つ華やかなコクが生まれてくるといった、1本で2度美味しいわたくし好みのワインでありまして、さらに食欲をかき立てるのに完璧な演出であります。。。

最初に「これだけはまず食べてほしい!」とオススメされたのが、ひよこ豆をフリットさせたシシリア.パレルモ名物『パネッレ』とROZZO特製『なすのラタトゥイユ』!!
アラブやスペインの影響が強いこの辺りの地区ではとてもポピュラーな揚げ物で、ビッラ(ビール)やスプマンテにめちゃあうサクサクとしたその食感がたまらない『パネッレ』は、あまりまだ日本では知られていないので嬉しい限り!しかし美味しすぎ&軽すぎなのでスナック感覚で何枚でも食べれてしまうので要注意でもあります...。
そしてここの『ラタトゥイユ』!正直あまり好きではない料理なんですが、ここのは一般のものとまるで味が違っていて、トマトといいうかデミグラソースで煮込みに煮込んだようにも感じる甘さとほろ苦さが入り混じったような濃厚で深みのある味わい!!どっちかというと温野菜嫌いなわたくしではありましたが、これは目からうろこの逸品でありました~!!

今が旬の『いろんなトマトのカプレーゼ』はだいたんに手でちぎったモッツァレラチーズまるごと一丁の上に数種類の色違いのトマト達がのっかってるという、今までにありそうでなかった見た目も美しくボリューム満点な一品!
厨房はすべて中村シェフひとりでまかなってるもんですから時間が遅くなるにつれ重なるオーダーに大忙しであります。。。

そしてもちろんこれです!これっ!!シシリア名物『スパゲッティ.コン.レ.サルデ』(イワシとウイキョウのパスタ)は絶対に外せないフェイバリッツ!イワシ嫌いのわたくしもこのパスタであっという間にイワシ好きになりました!!
『マルサラのラグーのフリッジ』(マルサラ酒テイストの和牛ミートソースのショートパスタ)もほんのりと後味に残るリキュールの甘みとトマトソースの酸味がくねくねパスタに絡み合って、病みつきになりそうな秀品であります!

メインは『マグロのタリアータ』他、今は魚料理中心ですが。今後は肉料理も徐々に増やして行く予定とのこと...なんせシェフ一人とフロアも阿部ちゃんの他に女子ひとりしかいませんのでまだまだメニューリスト等も数限られますが、今後は奥のテーブル席よりもキッチン前のカウンターでシェフと話し合いながらメニューを決めたり、それに隣接するスタンディングコーナーでワインと軽いアンティパストかなんかでワイワイやったりと、アットホームな雰囲気の中でお客さんとスタッフが一体化しながらより素敵なお店に作り上げていくに違いありません。。。

食後酒も実に楽しげで、オリジナル「リモンチェッロ」一辺倒の他店とは差をつけ、「プレーン」「洋なし」「レモン」「ハーブ」「ジンライム」といった5種類の果実酒が今や遅しと出番を待っておりました〜!
欲張りなわたくしはもちろん全品いただいて大満足!
いやいやしかし、毎日仕事帰りに「とりあえずROZZOで〜!」なんて感じがぴったりなお店なもんだから、ここもまた予約不可能になってしまうのは時間の問題でしょう。。。(涙)
とりあえず席に座れなくても立ち飲みスペースだけはなんとか死守して、シシリアのまだまだ知られていない貴重なワインだけでも飲みに行きた〜い!...そんな本場シシリアのバールで飲んでいるような錯覚をおこさせてくれる空間を立ち上げた若い二人の経営者に敬意をこめつつ、来週もまたダメもとで予約入れてみよ〜っと。。。