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JUN 2011

『吉華』(四川料理)

四川料理というと、誰でも一番最初に頭に浮かぶのはやはりテレビ等でもおなじみの鉄人、陳健一氏率いる『四川飯店』ではなかろうかと思われますが、ご承知の通りその父、陳健民氏こそが最初に本格的な四川料理を日本に持ち込んだまさに「四川の父」であるわけでありまして、今や赤坂店が本店とされている『四川飯店』の最初のお店を1958 年東京、田村町(現、西新橋)にオープンしたところからその歴史ははじまるわけでございます。(現在は閉店。)
当時、ラッキーな事に今は亡きわたくしの父:和彦は、一介のサラリーマンであったにもかかわらず(とは言っても当時イケイケでありました『鉄』関係の大手重役ポストであったようなので、政府関係者等の親友も多く、闇で何をやていたのかはわかりません...。子供ながらに当時の父は、映画スターみたいだなぁと思っていたのは覚えているので、今ではあり得ないのかもしれませんがきっとただのリーマンではなかったんでしょうね...苦笑。)
「池波正太郎」氏ばりのグルメであったもので、幼き頃から生意気にも名店と言われる様々な「のれん」をくぐらせていただいておりましたのですが、唯一その中で中華だけは「『四川飯店』の右に出るものはない!」と他店にはいっさい見向きもせず毎回新橋のこの一号店に連れて行かれていたのを思い出します。。。なもんで「味の好みは幼少時で決まる!」とよく言われますが、わたくしも例外なくそうでありまして、特に四川の代表であります「棒棒鶏」と言えば『四川飯店』...「麻婆豆腐」といえば『四川飯店』!...の味が常識になってしまっており、(四川料理ではないのでなんですが、「フカヒレの姿煮」も相当濃厚なスープで煮込んだここの味に幼少から慣れ親しんでしまっておるもので、
わたくし的にはダントツ『四川飯店』がNo1であります...余談でした...。)今だにどんな名店のチャイニーズに出向いてもこの二品に関してだけは口に入れた瞬間がっかりしてしまうわけであります。。。(涙...。)
しかし、じゃあ今の赤坂本店にそんなに行くかというと、ここはまだ昔ながらのチャイニーズスタイル...大勢でワイワイ押し掛けないとオーダーがトゥーマッチな感じになってしまいがちなので、もったいなくてなかなかうかがえず......ん~どうしたらいいのじゃぁ~??...いやいやノープロブレム!そこで偉大なる「陳健民」氏の味を引き継ぐお弟子さん達たちの数々の名店の出番となるわけでございます!!

『シエラトン都ホテル東京』の超有名店『四川』(昔は今のようなモダンなインテリアとはかけ離れただいぶシャビーな店でしたが、その頃からの大ファン!)の総料理長「橋本暁一」氏をはじめ、『四川飯店』にて健民氏に師事した後、伝説のシェフとして著名になっておられるの方々の中でも
まずなんと言っても『唐人飯店』や『香港飯店』等の様々な名店で料理長を歴任なされた後独立なされた、TV.雑誌等でも有名な「安川哲二」氏率いる1977年開業の名店中の名店『龍の子』はかけがえのない一軒!!
青山の事務所からも近く、仕事の合間に行くには便利な原宿という事もあって、週に一度はかならず顔を出す...いやわたくしにとっては出さないと気がすまないほど親しみのあるなつかしい味なんであります!!

 

ランチは特に有名で常に行列状態でありますが、わたくしのベストランチと言っても過言ではない「棒棒鶏定食(名物、大根の漬け物<美味!>+棒棒鶏+白飯<食べ放題>+スープ)」or「棒棒鶏冷麺」!!(一年中ございます!)

さらにもちろんお店一番の自慢「麻婆豆腐定食」と...週ごとに変わるオススメメニューやその他「名物、担々麺」等も含め、まさに完璧なラインナップ!!
ただし原宿という土地柄からか、或いは地下にあるがゆえの妙な窮屈感からか、そんなにしっぽり長居する感じではないので、こんなに美味しいにも関わらずわたくし的にもなぜかディナーというかはやはりランチのみに集中してしまいがちなところだけは残念なところではあります。。。(つまり...夜は「彼女」というか「家族」で行くには超オススメ!)
そして場所柄といえば...いやぁ~ずっと憧れでありました...やはり健民氏の味をさらに飛躍させ広め続けるオーナーシェフ「久田大吉」氏率いる四川の名店『吉華』!!
まったくご縁のない世田谷区上野毛という事で、何かのついでじゃあないと行けないなぁ~とずっと「片思いの遠距離恋愛」でありましたが、ようやくつい最近、箱根のゴルフ帰りに勇気をふりしぼって(なんでじゃ?)東名高速を瀬田で降り、念願かなって『吉華デビュー』してまいりましたぁ~!!

怪しい古びた建物、怪しい真っ赤なネオン、そして怪しいレトロなインテリアと...これ以上ないぐらい入るのにドキドキ&ワクワクさせる『昭和』の装いに歴史を感じてしまうのはわたしだけでしょうか??
(そして怪しい訳ありそうな美人すぎるママさん風な女性と、怪しい日本語片言の小顔で可愛すぎるヤングチャイナガールが店内を切り盛りなさっておりました...。)

「棒棒鶏」のソースはやはり「こうでないとねっ!」つうぐらいの「四川飯店」独特の味!鶏がなくてもこれだけでご飯にかけたら何杯でもいけそうであります!そう言えば昔、青山の実家でまだ暮らしてる頃はこのソース(四川飯店のもの!)がいつも冷蔵庫の奥に入っておりました~。お豆腐やサラダにかけてもマイウ~なんですよねェ~。。。
それから中華に限らず何の料理でも『千切り命』のわたくしが最も愛する細切りメニュー「牛肉の細切り味噌炒め、クレープ添え」(四川料理ではありませんが...。)も他店を寄せつけない圧倒的な細切り感と、ビネガーらしき酸味による見た目からは想像できないほどのさっぱり感にただただ驚きであります!!もしかしたらこれ...今までの中でNo1かも。。。

最後の〆はやっぱり自慢の「麻婆豆腐」!!どこの麻婆も完璧な陳健民一派でありますが、いつも必ず食べた瞬間、毛穴という毛穴から汗が吹き出し風呂上がり状態になってしまう「プロ.サウナー」のわたくし的感想としては、ここのがどこの店より最も山椒が強烈!かつ最も眠っていたMの血が、ざわわ(加藤登紀子風に...)と騒ぎだしてしまうほどの過激すぎる刺激が確実にクセになってしまいますので、もう後へは引き返せない...と言った感じであります!!
流れ出す汗で雨に濡れた野良犬状態になる前に、たっぷり盛ってもらった白飯とともに一気に胃袋にかっ込みましょう!いくら美味かろうが何だろうが、一口一口味わっている余裕はございません。。。
これが怖いもの見たさと言うことなんでしょうか?辛すぎてこんなの無理だよ~とひぃひぃ言いながらまた箸をつけてしまうこの感覚......ここまで来るとまさに「料理人との格闘技マッチやぁ~!」(彦摩呂風に!)といった趣き!!
今回は帰り道に軽くよっただけだったのであまり食べれなかったのですが、前菜3品の他、海老やら牛やらフカヒレ姿煮込みからもちろん〆の麻婆豆腐、担々麺まで6品&デザートまでついて¥6000!!っつうとんでもなくお得なコースもございまして次回は是非この試合(?)にトライしたいと今から夢は広がるばかりでございます。。。
いやいやなんせホノルルマラソンを完走した感覚(すいません...エントリーしたことすらございませんが...。)にも似た何とも言えない達成感が味わえるこのお店...わたくしのような刺激のない日々をお過ごしの方々には、破壊され続ける脳細胞の再生化のためにも(?)お近くにお寄りの際は是非ともこの過激なドリームマッチに一度は参戦してみることをオススメする次第であります!!
『四川料理』最高!!!