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NOV 2010

Trattoria Riccio di Mare

『シシリア』というと昔からマグロの『マタンツァ(大量虐殺の意味らしい!)』漁でも世界的に有名なように、イタリアの中でももっとも魚介類を食する土地であるのはご承知のとおり。。。
昔から生でも魚貝を食べていたシシリア人こそ(今でこそ世界中、寿司ブームでようやく当たり前になりましたが、わずか10数年前までは生魚を口にするのは日本人とシシリア人だけでどちらかというと「野蛮」とされておりました...。ミラノあたりから言わせるとシシリアは「あそこは田舎すぎてイタリアとは言えないよ!」とイタリア地図にも載せてない時期もあったぐらい!!)
日本人と一番近い味覚を持っていると言っても過言ではないはずなのに、そのわりに日本で本格的なシシリア料理に出会える場所は意外に少ないと思いません??
(古くからの友人でもある石川勉氏率いる青山の『ドン.チッチョ』はすぐに頭に浮かぶけど...あとは...??『ナプレ』はPIZZERIAだからナポリから南の料理って感じでシシリアではないしなぁ。。。)
太陽に愛され、安くて新鮮な魚介や野菜類に恵まれ、住む人もまた素朴で人間味あふれた土地であるここの郷土料理を、こんな大都会『東京』で再現するには素材的にも金銭的にも、そして感覚的にもリスキーすぎるんだろうなぁというのがその理由な気がしておりましたが、そこに待ったをかけたひとりのシシリア人...親友であり雑誌「レオン」等のモデルとしても有名な『ジャンフランコ.シモーネ』が
「日本のイタリアンは高すぎ...。安くて美味くてこそシシリア料理さ!!」と西麻布の裏道にかわいいかわいいシシリアン.トラットリアをプロデュースしたっつうからこれは行くっきゃありません!!
彼の意思を厨房で表現するのは若干28歳の新進気鋭の古谷脩シェフ!フランコのシシリアの家に居候しながら本場の味を修行し、帰国後さらに神泉にある『すし菊池」で徹底的に魚介について学び直したという面白い経歴を持つイタリア人真っ青にラテン気質な明るいシェフが作り出す大胆かつ繊細な料理は、本当のシシリアのマンマの味を知っている人なら誰でも「これ、これ~っ!」とうなずく味!!
(わたくし事ですがシシリアにはテレビ番組のお仕事で1ヶ月近く滞在していた事がありまして、だいぶいろいろな家庭料理からリストランテまで食べ歩きさせていただきましたぁ!映画『ゴッドファーザー』や『ニューシネマパラダイス』に出てくるような、いかにもシシリアらしい乾いた風の吹く赤土の風景とか、リュック.ベンソン監督の『グラン.ブルー』を撮影したタオルミナの街並みのような上流階級が集う海の青い風景とか...アフリカ大陸も遠方に見つつ、古代遺跡が立ち並ぶ、どちらかというとイタリアというかギリシャのような白い風景とか......これでもかというほどの太陽に包まれてるからなのかもしれませんが、これほどまでに様々な別の「顔」というか「色」を感じる場所は他にはないなぁと感じたのを思い出します...はい。)
そして何と言っても全てシシリア産で埋め尽くされたワインリストのリーズナブルさ!!みなさん、安心してアクア感覚でがぶがぶ飲みましょう!
わたくしを最初にお店に招待してくれた時も、コストパフォーマンスの素晴らしさに気を良くして、こてこてのジャパニーズドランカーと化したわたくしに軽くウィンクしながら、外見は全くパパに似てないけど性格が確実にイタリア~ノな長女『ルナ』ちゃん(イタリア語で月の意味)をかかえて、「家だと思って美味しいワインいっぱい飲んでってね!」とチャオチャオと笑顔で各テーブルをまわるフランコ。。。印象的な真っ赤なソファーに腰をおろしてるだけで、本当に太陽の国に紛れ込んだようなあたたかさがそこにはありました。。。

写真:
*一番オススメの白オーキーワイン『TRIPUDIUMU』!フランコが大好きだからここは結構いろんな「ドンナフガータ(シシリアで最もポピュラーなワイナリー!)」のものが揃っております。。。
*ふぐのごとく超薄めにカットされた『生タコのマリネ』!2~3枚いっぺんにいきましょう!
*前菜盛り合わせがちょこっとずつ、たくさん出てくるからワイン好きには嬉しい限り!!左から『焼き野菜のマリネ』、『薄くカットしたマグロとからすみの薫製(美味!!)』
『甘エビとオレンジのサラダ』、『いわしのマリネ』、『モッツァレラとドライトマトのカプレーゼ』、『シシリア名物!カポナータ』と続きます。。。楽しいでしょ??
*中にチーズとライスが入ったコロッケ『アランチーノ』!下に敷いたトマトソースをたっぷりつけてさぁ~実食!
*『自家製ソーセージとポテト』!各々でもマイウ~ですが、一緒にお口にほうばると...あらあらまったく違う味に!
*アフリカ大陸を拝めるくらいですからもちろんあります!『魚介のクスクス』!ブイヤーベースっぽい海老の出汁が効いてて最高です!
*これで最後の前菜...(この日はフランコの用意してくれたコース料理!)衣が薄くて嬉しい『シーフードフリット』!レモンをたっぷりかけて!
*「元祖ちょい悪オヤジ」のフランコと「元祖清純派オヤジ」のわたくし。。。
*超安めなワインもたくさんリストアップされていまして、その中でオススメの『ALCAMO』!水のようにさわやかなんだけど超ドライで、オーキで高めなものの後で飲んでも嫌じゃありませんでしたぁ!逆にチエィサー代わりになっていいかも。。。でもしっかり酔いまっせ!
*店名にもなっている『生ウニ(リッチョ.ディ.マーレ)のパスタ』!クリームっぽくなく、素材そのままって感じなのでウニ好きにはたまりません!
*出ましたぁ~!『イカスミのパスタ』!
*例外なくもちろん気分は「お公家さま」!!お歯黒なんて気にしてたら美味しいもんは食べれませんぞ!!
*壁にかけられたセピア色のシシリア人らしき写真たちと深紅のソファーが一見派手で落ち着かなそうですが、実は妙にしっくりきます!赤好きなわたくしはここで寝てしまいたいぐらいでございます!!
*スペシャルドルチェも頑張ってます...これなんだったっけなぁ~?たぶん『ピスタチオのミルフィーユ』と『セミフレッド』だった気が。。。
*店頭にて陽気な古谷シェフとイェ~イ!!おいしゅうございましたぁ!!リチェブータ.ペルファボーレ(領収書下さいの意味)!!