HOME > Favorite > 『村上開新堂』のクッキー

お気に入りのご紹介。

Blog

SEP 2011

『村上開新堂』のクッキー

明治維新後、新政府によって賓客や外交官に対する洋式接待の重要性を担ってその責任者として抜擢された、当時宮内省(現、宮内庁)のお食事係であった村上光保氏が、フランス人.サミュエル.ペール氏の元で洋菓子製造の修行をつんだ後、1874年(明治7年)千代田区麹町に宮内省の他、各国大使、華族、財閥等の方の為に洋菓子販売を開始したという長い歴史をもつ日本最初の洋菓子専門店『村上開新堂』。。。

うすいピンクの缶箱に美しくかつ精密に詰め込まれた最も有名なクッキーの詰め合わせは、お目にかかるのもあまりに敷居が高すぎて、今だ一見さんお断りの完全紹介制といった我々庶民の口にはなかなか味わえないまぼろしの逸品でありますが、昔からず~っとかわいがっていただいてていつも必ず節目節目に素敵なものを贈ってくださる超大物俳優であります高橋英樹さんからわたくしの46回目のバースデー当日にプレゼントしていただき、
久々に味わう機会を得まして感謝感激雨あられ!!

たかがクッキー、されどクッキーとでもいいましょうか...いやいやそんなもんではございません...さすがにここのはそんじょそこらのクッキーとは大違いであります!!
なんて表現したらいいんでしょうかねぇ~...本来のアメリカンクッキーのさくさくっとした食感とはまるで違って、ポリポリというかバリバリというか...あっさりなのに奥深い味がしみ込んでいて、やたら食べやすくてついついもう一枚と手がでてしまう...とにかく日本人には懐かしくもあり、でも上品すぎて手が届かないような余韻も残る...つまり『文明開化の味!』なんでありますな。。。

クッキーなんてそうは食べることのないわたくしがここまでたいそう特別な扱いをするのも、幼い頃から両親を含め、代々各方面からそのあまりの希少価値を植え付けられてきたからかもしれませんが、今だこのかわいらしい写真(イラスト?)付きの商品説明書きや、

ふたを開けるや目に飛び込んでくるこの芸術的に整然と詰め込まれたクッキーたちを見てしまうと、口に運ぶ時つい意図せずも背筋を伸ばさざるをえないのであります。。。

さらに英樹さんお得意のオリジナルグッズ(今回は『英』を型どったどこかのトップメゾン風デザインのIDケース!)もしっかり一緒に入っておりましたので、これは恐れ多くとしばらく神棚にお供えしてからいただくことにいたしましょう!!(とは言え神棚ないし...。)
なんでもネットですぐに手に入ってしまうこのご時世、今だにお店にすら入ることを許されず、いくらお金をつもうが買えないものがまだこうやって存在するということは、これから先、精進していく目標を見失いつつある我々世代の古い人間にとっては、とても励みになるとともに小さい頃から思い描いていたロマンを再度掘り起こしてくれる大切な『先生』的な役割だったりもして。。。
本当はそこまでしなくてもと思うのも半分、結局はこういったなかなか手に入れられない「いらだち」&「みじめさ」こそが我々人間をさらに大きくしてくれるに違いありません!(大げさか?)
逆に「便利さ」にあぐらをかいた今の若者たちは、何事もゼロからのスタートであったこういった歴史や本物を知ろうともせず、経験もしないからこそ上辺だけの薄っぺらい人間になっていってしまうのかもしれません...。(残念!)
だっていい大人が後生大事に湿気らないよう大切に大切に保管しながら一枚一枚ありがたみを抱いて食べるクッキーなんて、聞いただけでどれだけ奥深く重みがあるのか......(ちょっと我ながらかわいらしくも感じますが...笑)
こういうキモチやオコナイって、時代を通り越してとっても素敵なことだと思いません???(拍手~!)